AsiaX

第4回 本番のトレードに向けて準備しよう

第2回および3回では、デモトレードの方法や利益を出すための考え方について解説しました。今回は口座開設の方法など、実際にトレードを始めるにあたって、どのような準備が必要なのかを説明します。

 

 

編集I:デモトレードでしっかり練習しつつ、今回は本番のトレードに向けてどのような準備が必要なのか、チェックしていきたいと思います。
トレードを行うにあたっては、まず口座を開設する必要がありますよね。シンガポールで米国株を扱っている銀行・証券会社はどのくらいあるのでしょうか。

 

三方:シンガポールの銀行のほとんどで、米国株の取引ができます。銀行の場合、DBS、UOB、OCBC、スタンダードチャータード銀行、シティバンクなどで預金口座とは別に投資用の証券口座を開設することができ、取引を行えるようになります。証券会社では、TDアメリトレード、フィリップス証券、リム&タン証券などがあります。

 

編集I:各社でサービス内容もさまざまなのではないかと思います。選ぶ際のポイントについて教えてください。また、実際に投資する金額によって、最適な銀行・証券会社は変わってくるのでしょうか。

 

三方:選ぶ際のポイントは、手数料の安さと、トレードツールの使いやすさの2点が挙げられます。特に初心者の場合、少額から始めることが多いと思いますので、取引の最低手数料がなるべく安いところを選びましょう。

 

 

今回の予算は3,000Sドルなので、最低手数料が安いスタンダードチャータード銀行で口座を開設したいと思います。
スタンダードチャータード銀行で口座を開設するためには、パスポート、ビザ、住所証明(直近3ヵ月以内の通信料請求書、水道光熱費請求書、銀行明細のいずれか)が必要です。支店でTrading Accountの開設を希望すると、上記の書類の提示が求められます。続いて申込書への記入が求められるので、指示に従って記入してください。また投資に関する職歴や学歴、経験(日本やその他の国での投資経験でもOKです)を問われる質問票への記入も求められます。いずれもないと答えてしまうと、口座開設を拒否される場合があるので注意が必要です。

市場が閉まる日程は要確認

編集I:トレードができる時間帯や祝日などについても、把握しておく必要がありますよね。

 

三方:成行(実際の株価を見てその場で売買すること)で注文できるのは、ニューヨーク市場が開いている時間帯になります。この時間帯は、3月~11月までの夏時間と、11月~3月までの冬時間でも変わってくるので注意が必要です。また祝祭日には市場が閉まるので、これらの日程も把握しておく必要がありますね。

 

米国の祝日は上の表の通りです。これに加えて、前回も説明したとおり各企業の決算発表日も把握しておいたほうがいいでしょう。株価は決算内容によって大きく変動するので、決算発表日前のエントリーは避けるべきです。

 

経済ニュースをチェックする必要は?

編集I:各企業の動向や一般的な経済ニュースについては、ニュースサイトでも情報を入手できます。トレードを始めるにあたり、これらのサイトは日頃からチェックしておいたほうがいいのでしょうか。

 

三方:売買する銘柄については、第1回目で紹介したFinviz.comという米国株式の情報提供サイトを使い、過去の業績や財務内容などを分析することで抽出できます。エントリーや決済のタイミングは、テクニカル分析を元に決めていきますので、必ずしも経済ニュースをチェックしておく必要はありません。テクニカル分析の具体的な方法については、私のスクールで指導しています。

 

編集I:逆に、余計な情報に惑わされないようにしたいですね。もっともらしい予想記事もありますが、実際の値動きがそうならないことも多いようです。実際にチャートがどう動いているのかをしっかり見て分析することのほうが、トレードにおいては大事なのではないかと思いました。
口座の開設方法も分かったので、次回からは実際の口座でトレードしてみたいと思います。いよいよ本番ですね!

 

 

今回のまとめ

◆銀行・証券会社選びのポイントは
手数料の安さと、トレードツールの使いやすさを基準に選ぶといいでしょう。少額から投資を始める場合、取引の最低手数料がなるべく安いところがオススメです。

 

◆時間帯や日程にも注意
成行で注文できるのは、ニューヨーク市場が開いている時間帯のみ。市場が閉まる祝祭日の日程についても把握しておきましょう。