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第4回 シンガポールでの日系企業の位置づけ

連載第4回目の今回は、シンガポールにおける日系企業の位置づけについて触れていきます。

 

二十数年前、日本はG7の主要メンバーとして華々しく経済牽引の一翼を担っていました。しかし今やG20においても影響力は小さくなり、国際社会において、日本の発言力は年々弱まっているように感じます。また、日本の労働生産性は著しく低下しG7最下位となり、採用シーンにおいてもシンガポールでは就職したいランキング上位100社の中に日本企業はなんと0社という惨憺たる結果であり、著しくプレゼンスを欠いているのが現状です。

 

OECD加盟諸国において、日本の労働生産性は実に35ヵ国中22位(2015年)に位置しています。これは何が原因なのでしょうか。複合的な要因が考えられますが、大きな要因は“終身雇用”、“年功型処遇”といった従来の高度経済成長を支えた日本型雇用システムを基軸とした「集団的管理」にしがみつき、「個別的管理」へ移行できなかったことが考えられます。これまでのような形式的事後的に時間で成果をはかる、いわゆる従来型の“きのうの人事評価”ではなく、これからは一人ひとりの成果を正当に評価し、仕組みとして人材育成を実現していける“あしたの人事評価”が求められるのです。

 

次回からは、目指すべき“あしたの人事評価”とは具体的にどのようなものなのかを説明します。