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第1回 資産運用を始めるには ~銘柄を選ぼう~

 

編集I:三方さん、初めまして!AsiaX編集部のIです。今年から資産運用を始めたいと思っているのですが、投資については未経験で何も分からないのでいろいろ教えてください。

 

三方:よろしくお願いします。

 

編集I:まずシンガポールで資産運用することのメリットって何でしょうか?また実際に、シンガポールで資産運用をしている人にはどんな人が多いのでしょう?

 

三方:何と言っても、資産運用による収益に対して税金がかからないことです。老後の資金が足りないという理由で資産運用を始めようという人が多いですね。これは日本もシンガポールも同じだと思います。

 

編集I:金融商品にも、株や投資信託などさまざまな種類があります。何に投資すればいいのか分からないという人もいると思いますが、お勧めの金融商品は何ですか?

 

三方:金融商品には、米国株や日本株、FX(外国為替証拠金取引)、積立の保険商品などがあります。FXは利回りはいいもののリスクも高く、初心者の方にはハードルが高いかも知れません。その点米国株なら片手間ででき、マスターするまでの時間も比較的短いという利点があります。FXなどのように画面に張り付かなくてもよく、働きながら空いた時間で運用できます。日本と比べても米国の株式市場のほうが成長しています。

 

編集I:米国株への投資は、働きながらでもやりやすいということですね。それでは、最初はどのくらいの金額からスタートすればいいのでしょう?

 

三方:3,000Sドルくらいでどうでしょうか。この金額なら買う銘柄や、購入数の制限を受けにくくなります。

 

銘柄の選び方は?

編集I:次のステップについて教えてください。

 

三方:まず買う銘柄を決める必要があります。次にどのくらいの量を取引するか決め、売買のタイミングを見ていきます。

 

編集I:具体的にどうすればいいですか?

 

三方:その会社の財務諸表を見て、元気な会社なら買い、病気の会社なら売る、というが基本的な考え方です。言ってみれば会社の健康診断をするようなものですね。私のスクールでは、その健康診断のノウハウを提供しており、実際に銘柄を選ぶツールをご用意しています。また、何の銘柄をチェックしていけばいいか「観察銘柄」として毎月お知らせします。

 

編集I:銘柄選びというと、財務諸表を分析するなど難しいイメージがあるのですが…

 

三方:そんなことはありません。私が教えているトレード方法は、場所に縛られず、パソコン1台とインターネットが使える環境さえあればどこでも可能です。さらに1万円という少額で始めることができ、財務諸表などを分析する必要もありません。また米国株式だからといって、英語が読めなくても問題ありません。

 

三方:それでは、実際にツールを使いながら銘柄を選んでみましょう。銘柄選びで重要なのは、以下の5点です。
①過去の業績が安定的に成長していること
②将来の成長見通しも右肩上がりであること
③競争優位性を持っていること
④財務内容が健全であること
⑤内在価値と比較して、現在の株価が割安であること

このようにお話すると、なにやら複雑に聞こえるかもしれませんが、実は非常に簡単です。なぜかというと、①~④までをほぼ自動で調べてくれるツールとして、私のスクールではFinviz.comという米国株式の情報提供サイトを推奨しています。そのサイトのScreenerというページで、①~④の条件を満たす銘柄を簡単に抽出できます。

 

編集I:ツールひとつで銘柄を選べるとは、思ったより簡単そうですね。

 

三方:そうですね。ツールを活用することで、誰でも簡単にできてしまいます。

購入量を計算するには?

編集I:最初はどのくらいの量を買えばいいのでしょう。

 

三方:私のスクールでは、適切な購入量を決めるのに以下の計算式を用いています。
適切な購入量〈株式数〉=(取引当たりの許容リスク〈%〉×投資資金)÷(購入金額-損切り価格))です。
投資金額は全財産ではなく、その中の投資に回せる金額のことです。また、取引当たりの許容リスク〈%〉は、投資金額のうち何%の損失まで許容するか、というものです。これは、上級者になるまでは1%としてください。なお損切り金額は、この価格になったらポジションを解消する(決済する)という価格のことです。

 

編集I:次は売買のタイミングですね。

 

三方:はい。株価の値動きにはパターンがあるので、実際に投資するにはデモトレードで練習して慣れてからのほうがいいでしょう。私のトレードスクールでもデモトレードで練習できます。詳しいデモトレードの方法については、また次回説明します。

 

編集I:ありがとうございます!次回もよろしくお願いします。

 

今回のまとめ

◆投資先には米国株をチョイス
金融商品にはさまざまな種類がありますが、株式市場が持続的に成長しており利回りも良く、リスクが比較的低い米国株を選びました。

 

◆銘柄選びには情報提供サイトのツールを活用
銘柄選びには、業績の安定性や、今後の成長性などいくつかのポイントがあります。Screenerというページから、これらの条件を満たす銘柄を簡単に抽出できます。