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SJ50特別企画 日本とシンガポールの友好を祝った1年、SJ50イベントレポート

SJ50とは?

2016年の、シンガポールと日本の外交樹立50周年の呼称。ロゴマークはシンガポール国籍で日本在住のケニー・クー氏によるデザイン。「シンガポール=マーライオン」「日本=富士山」を楕円でリンクさせ「交流」を強調。両国の国旗の共通色「赤」をメインに、「ゴールデン・ジュビリー(50周年祝典)」の意味がある金が用いられています。

 


 

SJ50まつり(10月29日、30日)

ニーアンシティのシビックプラザで開催されたSJ50の目玉イベント。日系企業や地方自治体を中心に観光や物産に関する展示や即売、商品PRが行われたほか、会場に設けられたステージでは、日本の伝統芸能やポップカルチャーなどをテーマにした各種アトラクションが催されました。29日の夜にはオーチャード・ロードを閉鎖してフレンドシップパレードが行われ、在シンガポールの日本人グループや日系企業の職員ら約2,000人が参加。「恋するフォーチュンクッキー」や「世界に一つだけの花」が流れる中、篠田研次大使とジョセフィン・テオ上級国務相が先頭に立ちオーチャード・ロードを行進、その後は阿波踊りも行われ、沿道には多くの人が集まり両国の友好を祝いました。
https://www.youtube.com/watch?v=UQqfzCH0UAU

 

主催者コメント
総計100社・団体以上の出展、協賛、出演者によって構成されたSJ50まつりは、11万人の総来場者を集め、SJ50イヤーの最大事業となりました。中でもフレンドシップパレードは、日本、シンガポール双方の参加者から「日本・シンガポール友好史に残る大イベントだった」「真の意味でSJ友好イベントになった」との高い評価をいただくことができました。
SJ50まつりタスクフォース

 


 

Super Japan – Japanese Festival of Arts(5月13日~22日)

エスプラネードのシアターズ・オン・ザ・ベイでは、芸能や音楽など日本の多様な芸術を紹介するイベントが行われました。初日は、日本の「カワイイ文化」の象徴として知られる人気ファッションモデル・J-POP歌手のきゃりーぱみゅぱみゅさんが登場。3度目のシンガポール公演を行いました。20日にはモナコ・プランス・ピエール国際作曲賞などの受賞経験を持つ作曲家・菅野由弘さんが作曲・指揮を務める古代祝祭劇「太陽の記憶―卑弥呼」の公演が行われ、卑弥呼の時代の古代祝祭を、現代の洋楽、邦楽、歌舞伎、舞踊を組み合わせ表現。このほか20日、21日は男性のみの舞踏集団、山海塾による「海の賑わい・陸(オカ)の静寂―めぐり」の公演が行われるなど、さまざまなプログラムが催されました。

 

主催者コメント
日本独特の芸術、文化、伝統を余すところなくシンガポールに紹介できた、非常に刺激的で興奮に満ちた10日間でした。伝統的なものから現代的なものまで、14年間にわたりエスプラネードがシンガポールや日本のアーティストと関係を築いてきたひとつの集大成だったと嬉しく思っています。
The Esplanade Co Ltd. 音楽部門プロデューサー Sara Joan Fangさん

 


 

C3 CharaExpo 2016(7月9日、10日)

今回で2回目となる、日本のアニメや漫画、ゲーム、カードゲームの祭典。会場にはオープン前から多くのファンが並び、開場と同時に目当てのブースまで走るファンが出るほどの人気ぶりでした。日本企業とローカル企業を合わせて約60社が出展。会場内には約50ものブースが並び、アニメに関連したオリジナルグッズやフィギュア、限定品の販売などが行われました。そのほか新作ゲームの体験ブースやファン同士でカード対戦ができるゲームエリアでは大人から子どもまでが大賑わい。特設ステージでは声優やアーティストのショーが行われたほか、会場内の一角にはプロレスリングも設営され、オカダ・カズチカ選手ら新日本プロレスのスター選手による試合が行われました。
https://www.youtube.com/watch?v=wjIp0g8OwuY

 

主催者コメント
シンガポールをはじめマレーシア、インドネシア、タイなどさまざまな地域のファンが集い、スターたちと触れ合っている姿が印象的でした。彼らにより質の高い日本のコンテンツやエンターテイメントを提供するべく、地域のコンテンツクリエイターと新たなパートナーシップを構築することができました。
株式会社ブシロード 木谷高明 代表取締役社長

 


 

ONE ASIA Joint Concert 2016(12月7日)

日本を代表する和楽器ユニット「AUNJクラシック・オーケストラ」が、アジア各国の伝統楽器奏者たちと音楽を奏でる音楽文化交流プロジェクト。シンガポールをはじめベトナムなど、ASEAN10ヵ国全ての国から奏者が参加、音楽を通じてそれぞれの国で大切に守られてきた伝統楽器の魅力を紹介する、シンガポール初上陸のイベントとなりました。当日のステージには各国の演奏者が民族衣装で登場、それぞれの個性があふれる生き生きとしたパフォーマンスを行いました。観客との掛け合いなども行いながらステージは進み、最後は全員でオリジナル曲「ONEASIA」を合奏、それぞれの音色を持つ楽器が一体となり、調和しながら会場を包み込む感動のフィナーレで幕を閉じました。
https://www.youtube.com/watch?v=6KGCF5ZB3dM&feature

 

主催者コメント
過去の歴史上、交わることのなかったアジアの伝統楽器が「OneAsia」というメッセージでひとつになりました。僕らが目指してきた、人と人を音楽の力で繋げることが体現できた一夜であり、世界が驚くような新たな音楽がシンガポールから発信できたと思います。
ONE ASIA Classic Orchestra リーダー 井上良平さん

Mega Flower Exhibition

3月10日~4月10日、主催:JNTOシンガポールチャンギ空港グループ
日本政府観光局(JNTO)とチャンギ国際空港グループ(CAG)がチャンギ国際空港のターミナル2と3で共同開催した花の展示会。日本の華道家・假屋崎省吾氏が展示花のデザイン、アレンジを担当しました。3月に開催されたオープニングセレモニーでは假屋崎氏が登場し生け花パフォーマンスを披露。日本とシンガポールの交流について「シンガポールにもランをはじめ美しい花がたくさんある。花という文化を通して、日本とシンガポールがすばらしい友好関係を築いてくれることを願います」と話しました。SJ50をテーマに日本とシンガポールの美しさや上品さを表現した花は、その後1ヵ月にわたり多くの人の目を楽しませました。

 

 


アジア児童コンテンツ・フェスティバル2016 ジャパンナイト

5月26日主催:シンガポール、図書開発評議会
ナショナルライブラリーで開催されたアジア児童コンテンツ・フェスティバル2016の一環として、セントーサのシー・アクアリウムで行われたイベント。日本とシンガポールの絵本作家、イラストレーター、翻訳者のコラボレーションによる絵本「ベンジーとユミのおりがみ」と「テーブルがおかのモンスターの日」も初披露されました。「ベンジーとユミのおりがみ」の翻訳を担当した福本友美子さんは、「この話はシンガポール人の男の子と日本人の女の子が折り紙を通じて仲良くなる話です。違う文化のもとで育っても、子供たちは分かり合えるということを伝えたい」と話しました。
https://www.youtube.com/watch?v=c1UhjhucrPU

 

 

 


ミズノ駅伝シンガポール2016

7月16日、主催:ミズノ・シンガポール

 

シンガポールで駅伝のみを開催する初めての大会として2015年に開催され、昨年で2度目の開催となったレース。出場者は4人のランナーで1つのチームを作り、中継地点でタスキをつないで走りました。日本の伝統的なランニングカルチャーである「駅伝」を通じて、助け合いやチームワークといった精神を伝えることを主眼にしており、2015年よりも大幅な参加者増となりました。また会場内のマリーナベイ地区には「レースビレッジ」が設けられ、日本の料理やゲームなどを提供する出店が並び、レース参加者だけでなく沿道の応援者なども一体となって楽しめる催しとなりました。
https://www.youtube.com/watch?v=OoGh7RfzHjs

 

 


SJ50 KANPAI!! SAKE DAY

10月1日、主催:JSCOMPASS、Media Japan
酒づくりが始まる10月1日の「日本酒の日」に、再び美味しい新酒が醸されるよう願いを込め、シンガポール島内各地で一斉乾杯のイベントが開催されました。タワークラブでは「SJ50 KANPAI!! SAKE DAY」がメインイベントとして開催され、100名超の来場者は選りすぐりの日本酒を堪能。フラワーアーティストのDAN TAKEDAさんと、建築デザイナーで陶芸作家の藤堂高直さんのコラボレーションによるフラワーアレンジメントのパフォーマンスも行われました。また、島内の協賛飲食店(柳’s、本家呑八、酒空居酒屋、BAR IPPUDO、博多 鶏金、GYOZA BAR、Torikin Teppan Qなど)でも振る舞い酒が提供され、一斉乾杯を行いました。各会場とも多くの人で賑い、日本酒への興味の高まりが感じられる1日になりました。

JAPAN Travel Fair 2016

10月28日~30日、主催:JNTOシンガポール
SJ50まつりと同時期に開催された、日本の魅力をアピールし訪日旅行者の増加を図るイベント。日本からは企業や自治体ら16団体がブースを出展しました。会場では、大手旅行会社12社が訪日旅行パッケージの販売を行い、その場で申し込む人の姿も。ステージでは、空手のパフォーマンスや琴の演奏なども行われたほかアクティビティも多数用意され、着物の着付け体験やキャンディーアートコーナーには長蛇の列ができました。日本政府観光局シンガポール事務局の澤村正仁次長は、「こうしたイベントによる情報発信を通して、地方への観光客誘致にも力を入れていきたい」とコメント。今後も継続的にこのようなイベントを開催していく方針と話しました。
https://www.youtube.com/watch?v=cTgN3IuJJl8

 

 


YUGEN 幽玄 THE HIDDEN BEAUTY OF JAPAN

10月28日、29日、主催:国際交流基金・アジア文明博物館・明治大学
シンガポール有数の野外イベント「リバーナイトフェスティバル」。その一環として、能楽と3D映像を組み合わせた舞台「幽玄」の公演が10月28、29日の2日間、アジア文明博物館の野外ステージで行われました。この公演は能の演目(石橋、羽衣)をベースに3D映像を織り交ぜながら日本の自然や美しい幽玄の世界を表現しようというもの。舞台演出はミュージカルやオペラ、歌舞伎などジャンルを越えて活躍する宮本亜門氏が担当しました。観客には能面を模した専用の3Dメガネが配布され、世界初となる3D映像と能のコラボレーションを楽しんでいました。

 

 

 

 


SJ50映画祭 SJ50 Film Festival

10月21日、22日、主催:Red Dot Cinema

 

アジアの自主短編映画の認知度を高め、世界に普及させる活動を行っているシンガポールのRedDot Cinemaが、SJ50の節目に日本とシンガポールから作品を募り実施した短編映画祭。日本とシンガポールの短編映画の上映会を通して互いの文化を理解するとともに、両国の未来ある映画監督たちが交流する場を設けたいという思いで開催されました。国籍も年齢もさまざまな監督たちの作品が、両国から25本ずつ計50作品ノミネート、両国にて上映されました。シンガポール側では10月にアジア文明博物館にて開催され、参加者は1,000人を超える大盛況ぶり。日本側でも12月3日と4日に日本アセアンセンターにて開催され、好評を博しました。
https://www.youtube.com/watch?v=Ni0N2f20Zfw

 

 


SG-JP Music Mix 2016

11月30日、主催:SG-JP Music Mix 実行委員会
日本、シンガポール両国の音楽アーティストによる協同コンサート。日本側はシンガポール初公演となる雅楽師・東儀秀樹、シンガーソングライターで日星音楽親善大使のSachiyoが出演、シンガポール側は、国民的アーティストであるディック・リー、シャビル、オリビア・オンが出演。この日のためにスペシャルアレンジされた日本とシンガポールそれぞれの国の名曲を、西洋楽器とシンガポールの民族楽器、また雅楽の楽器とのコラボレーションによって演奏しました。多様な音楽が融合され、ひとつになり、観客を大いに魅了するステージとなりました。
https://www.youtube.com/watch?v=6fZJpS_ZMTM

 

※東儀秀樹さんのスペシャルインタビューはこちらからhttps://www.asiax.biz/biz/41769