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歌手・女優・版画家 ジュディ・オングさん 大病をきっかけにチャリティー活動に注力 誰かの人生を変えられるなら少しでも力になりたい

9月9日、マリーナベイサンズで音楽家志望の子供たちを支援するためのチャリティーコンサートを開いたジュディ・オングさん。シンガポールでのコンサートは2008年以来という。日本だけでなく、東南アジアでも高い人気を誇る彼女は、往年の名曲である「魅せられて」をはじめとするヒットナンバーを日本語、中国語、英語で歌い、会場には多くの人が足を運んだ。
歌手、女優、版画家としての顔を持ち、近年ではロータリー財団のポリオ(小児麻痺)撲滅大使を務めるなどチャリティー活動にも精力的に参加しているジュディさん。今回のコンサートも「Budding Artists Fund」と呼ばれる、経済的に恵まれないアーティストを支援する基金へのチャリティー企画という位置づけとなる。社会貢献活動に注力する理由や、現在の取り組みなどについて話を聞いた。

 

―今回のチャリティーコンサートについて、開催までの経緯やコンサートにかける意気込みについて教えて下さい。
今回のイベントを企画した企業とは、もう25年ほど前から付き合いがあり、2008年にシンガポールでコンサートを開催したときにもプロデュースしてもらいました。その企業から、またシンガポールで歌ってほしいというお話をいただいたのがきっかけです。

せっかく来星するのなら、ただコンサートを開くのではなく、社会的に意義のあることもしたいという話をしたところ、若い音楽家の卵達を育てる基金があるという話を聞きました。その活動に賛同し、今回のコンサートの開催が決まりました。

 

―また、ロータリー財団のポリオ撲滅大使なども務めていらっしゃいます。社会貢献活動やチャリティー活動に精力的に取り組まれるようになったきっかけについて教えて下さい。

私は1986年に大病を患いました。そこから回復していく中で気づいたことが、健康とはただ薬を投与して取り戻すものではないということです。生きることを嬉しく思うことが、その人を元気にするのだと思います。

毎日来てくれる医者や看護師の方の思い、そして両親やファン、スタッフの皆さんの「元気になってまた歌やお芝居を見せてほしい」という気持ちが私を元気にしてくれました。病気から回復した後、ただ歌うのではなく、何か人の役に立つことがしたいと思うようになったことが、私がボランティアやチャリティー活動に力を入れるようになったきっかけです。チャリティー活動にはそれまでも参加していましたが、その重要さについては何となく分かっていただけで、今のように自分の骨肉といえるほど大切には思っていなかったのかもしれません。
自分が誰かを助けるためにできることは、歌うことやお芝居をすることであり、それがチャリティーのコンサートを開催するモチベーションにつながっています。そうした活動に他のアーティストも参加してもらい、活動の輪が広がっていくことが大切です。

 

―チャリティー活動について、ほかにどのような取り組みをされているのでしょうか。

ワールド・ビジョン・ジャパンという、世界の恵まれない子供たちを支援するNPOの親善大使を努めています。いくつかプログラムがある中で、特に重要なのがチャイルド・スポンサーシップというもので、スポンサーになった人に1人あたり毎月4,500円を寄付してもらっています。その寄付金で子供が食事をとり、必要な医療を受け、学校へ行くことができるようになるのです。バングラデシュなどの国では物価が安く、その4,500円でもまだお金が残ります。残ったお金で地域開発のために井戸を掘ったり、集会所などを作ったりすることもできます。

こうした取り組みにおいて重要なのは、子供の学習能力の向上、特に字が読めるようになることです。字が読めるようになることで、その子が社会的地位の高い仕事に就くこともできるでしょう。また災害があり、救援物資などが届いたときに、配られたものをどうやって食べればいいか、どうやって使えばいいかなど、その説明文を読むことができます。文字を読めるということはとても大切なことなのです。

チャイルド・スポンサーシップによる支援を受けて、弁護士になった子供もいれば、ミス・タイやオリンピック選手になった子供もいます。経済的に恵まれない子供たちにできるだけ平等にチャンスを与えることはとても重要なことだと思います。

 

シンガポールの音楽家の卵たちと記念撮影

 


―日本の社会福祉法人である日本介助犬協会のサポート大使も務めていらっしゃるそうですね。介助犬の重要性についてどうお考えでしょうか。

介助犬(ドアの開閉や物の運搬など、専門の介助動作を身につけ、肢体不自由者の日常生活をサポートする犬)の存在についてみなさんにもっとよく知ってもらい、より多くの介助犬を世の中に出していくことが必要です。介助犬がホテルやコンビニエンスストアなど、どこでも受け入れられるようになることが、もうひとつの自分のライフワークだと思っています。

介助犬による支援を必要とする人は、首を骨折して手足が不自由になった人や、生まれながらにして手足に力が入らない人などさまざまです。そうした人たちをサポートする訓練を受けた犬が、夢を失った人にもう一度夢を与えることができるようになります。
介助が必要な人は、例えば水が飲みたいと思っても、面倒を見てくれる人に気を遣って我慢してしまうなど、なかなか人に何かを頼むことができないことがあります。介助犬なら「takewater」と言えば冷蔵庫から水を取り膝の上に持ってきてくれるなど、よりその人に近いところで生活をサポートしてくれます。それまで家の外になかなか出ようとしなかった人でも、介助犬のサポートを受けるうちに、次第に他人に頼らず自分でも行動できる自信を持つことができ、外出するようになることも多いのです。
介助犬の存在を通じて、1人の人生を変えられるなら少しでも力になりたい。その1人が10人、100人、1,000人と増えていけば素晴らしいと思います。それが私の理念です。

Superlative, managed by The RICE Company Ltd.

 

 

ジュディ・オングさんのサイン色紙を抽選で1名様にプレゼント

【応募方法】応募締め切り : Eメールで次の①~③について回答のうえ、件名を「ジュディ・オングさんサイン色紙プレゼント」として、lucky@mediajapan.sgまでお送り下さい。①お名前(日本語・英語)②携帯電話番号③AsiaXで今後企画して欲しい記事など(複数可)。

応募締め切り : 2016年9月30日(金)

※応募はお1人様につき1通のみとなります。複数応募の場合は無効と致します。お送りいただいた個人情報は、抽選および色紙の発送にのみ使用致します。応募をもってご了承いただいたものと致します。当選の発表は、Eメールでの通知をもって代えさせていただきます。