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丸栄タオル(MARUEI TOWEL CO., LTD.)今治のタオルをシンガポールへ オンライン販売にも注力

愛媛県今治市は豊かな水資源にも恵まれ、地場産業として高品質なタオルを製造しており、その生産量は日本全体の約6割を占める。その今治市を拠点とする丸栄タオルは、ASEAN諸国での事業展開の強化に向け、2015年5月にシンガポールに駐在員事務所を開設した。

 

日本本社の設立は1958年で、タオルハンカチやタオルケット、バスローブなど縫製品の生産・販売を手掛ける。2004年からはプライベートブランドとして「idee Zora(イデアゾラ)」を展開、東京都内の百貨店やホテルにタオルを納品しているほか、ホテル内の店舗でも販売している。海外では、台湾や香港、タイの百貨店に製品を納入しているという。

 

同社のタオルには黒や茶色、アイボリー、グレーなどを基調にしたシンプルなデザインのものが多い。一方では、ベルギーの著名デザイナーであるクリス・メスタ氏らとのコラボレーションによるデザイン性の高いものも取りそろえている。

 

また、今後シンガポールで販売していくうえで強みになるのが、タオルの吸水性の高さや生地の薄さだ。同駐在員事務所の村上智也氏は「シンガポールは湿度が高いため、厚手のタオルだと外に干してもなかなか乾かないこともあります。当社のタオルは生地が薄いため乾きやすく、部屋干しをしても匂いがつきにくいのが特長です」とアピールする。

ホテルや土産物店での展開図る
メゾン・エ・オブジェでPRも

安価な中国製のタオルへの需要は高いものの、生活水準の高いシンガポールなら、高品質なタオルへのニーズもあると同社は見込む。シンガポールでは、主にホテルおよび施設内の土産物店、スパなどBtoBをメインに売り込んでいく考えで、特にホテルへのアプローチに力を入れているという。

 

当地での事業展開を進めるうえで重要になるのが、有力なディストリビュータを見つけることだという。タイで同社がタオルを販売するまでの経緯について、村上氏はこう振り返る。「タイのディストリビュータが東京のパレスホテルに宿泊した際、施設内の店舗で当社のタオルを購入したところ、その品質の良さに驚き、ぜひタイでも売りたいというお話をいただきました。それがタイで販売を開始するきっかけになりました。こうした人をシンガポールでも見つけることが大事だと考えています」。

 

製品のプロモーションと販路の開拓に向け、シンガポールで開催されているインテリア・生活雑貨の国際展示会「メゾン・エ・オブジェ」にも毎年参加することで、国内外のバイヤーに対しても積極的に製品をアピールしている。今年は「IMABARI TOWEL JAPAN」として今治市のタオルメーカー13社が合同で出展しており、こうした活動によってシンガポール国内での同社製品の認知度も徐々に高まってきていると、村上氏は話す。

 

このほか海外販売の強化に向け、英語による販売サイトも立ち上げている。シンガポールから注文すると、送料が一律5Sドルになるなどのキャンペーンも実施しており、今後も当地でのPRを続けていく方針だ。

 

会社プロフィール
タオルの製造・販売などを手掛ける丸栄タオルのシンガポール駐在員事務所。販売先の開拓などを担う。

MARUEI TOWEL CO., LTD.

Tel: 8798 0723

www.maruei-towel.com