AsiaX

日本の健康と美容の文化をアジアに。日系企業の代理拠点として活動

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高齢化社会と聞くと、日本のネガティブなイメージが強調されがちだ。しかし、長寿は誇るべきことである。そして、日本の産業にとってもチャンスの時代であると考えることができるのだ。

 

AIC Singapore Pte. Ltd. マネージングダイレクターの池田浩一郎さんは、今後、高齢化社会に対応したサービスが日本でさらに高度に発展すると話す。

 

「数十年後には、医療・健康産業が日本の経済をけん引していると言っても過言ではないと思います」。

 

2014年からシンガポールで本格的に稼働したAICSingapore社では、日本の健康、美容関連商品の薬事、貿易、マーケティングおよび営業代行を行う。

 

「扱うのは化粧品、サプリメント、サポーターなど、健康維持、病気予防のための商品。人が自分の足で立って活動できる状態である『健康寿命』を長く維持するためにサポートするのが目的です。主に中堅、中小メーカーの製品を扱っています。日本には、創業数十年を超え、特許技術を持つ杖や健康維持につながる製品のメーカーが多い。自社で海外展開を図る大企業とは違い、海外進出に踏み出せない中小の会社が日本には多いと思います。そこで、当社がそのような会社のアジア統括拠点代理として活動し、強固なローカルネットワークを活用しつつ、現地の最適な流通、ディストリビューターに売り込みます」。

 

時間をかけて文化を根付かせ、ブランドをコントロール

アジアの統括拠点としてシンガポールは最良で、東アジア、アセアン、香港、インド、アフリカ市場にいたるまで広範な市場に対応し、ブランドのショーケース効果が期待できるという。そして、このブランディングこそローカルネットワークに加えて、AICの強みが発揮されると池田さんは話す。

 

「1社1社、丁寧にブランディングしていきます。メーカーがその製品に込めた思いと、実際に消費者がどう感じるかということには隔たりが生まれる。その隔たりを減らすことも一つのブランディングの業務だと考えます。時間をかけて根付かせたものは長く続く。例えば、ヨーロッパでは化粧品は文化の1つと考えられています。ヨーロッパのある化粧品ブランドは、日本市場への進出に当たって20年~30年計画で進出計画を練り、予算を投資します。文化を海外で浸透させるには時間が必要なのです。健康や美容も日本の長年の習慣や食生活、先人の知恵によって育まれてきた、日本の文化。それが現在、様々な技術革新と共に化粧品やサプリメントなどに取り入れられてきている。当社はそうした製品がアジアで受け入れられるように、ローカライズして変えるべきところと、変えないところを見極める『ブランドコントロール』を行います」。