帳票基盤ソリューションの「SVF(Super VisualFormade)」や、BI(ビジネス・インテリジェンス)・データ活用ソリューション「Dr.SumEA」などのソフトウェアを市場に送り出しているウイングアーク1st株式会社が昨年3月、シンガポールに現地法人を設立し、業務を行っている。日本で「SVF」は1万8,000社、「Dr.Sum EA」は4,290社の導入実績(2013年)で、トップのシェアを誇る。
WingArc Singapore Pte. Ltd.の設立から携わり、シンガポール赴任約1年を迎えるマネージングダイレクターの野口高成(のぐち たかしげ)さんは、ウイングアークの製品の特長を「業務現場が使いこなせるソフトウェア」と話す。
「業務帳票出力、最近注目度が増しているBIと呼ばれる分野をサポートするソフトウェアが当社の主力製品です。企業の伝票や申請書といった事務手続きに欠かせない帳票を設計・出力する『SVF』、蓄積された膨大な情報を集計・分析し、報告書にまとめる作業をサポートする『Dr.Sum EA』、その情報をダッシュボードとして豊かな表現力をもつ『MotionBoard』、どの製品にも共通しているのが、エンドユーザー・コンピューティングの発想。すなわち、現場で誰にでもすぐに使ってもらえるということが、当社の製品の大きな特長です。実際、帳票は、プログラミングで開発し、専門性が高い分野でした。それを誰でも簡単に使えることを実現したのが『SVF』。難しいイメージがあるビジネスソフトウェアを、現場で多くの人にすぐに使ってもらえるようにすることがウイングアークの使命です」。
さまざまな業務で利用する帳票に対応、クラウドでのサービス提供も視野に
簡単であるというほかに、『SVF』が日本で多くの企業に支持されてきた理由として上げられるのが、さまざまな業務で利用される帳票に対応することができ、さらに企業それぞれが持つ帳票に対するこだわりを反映させることができる点だ。
「日本の企業で長年使われている帳票は、すでに各企業の業務の効率化に貢献し、またありとあらゆる業務で利用されています。帳票設計の豊かな表現力や、通常のプリンターから、ラベルプリンター、PDFの生成などさまざまな出力ニーズを1つの製品で対応できる点が、当社製品を支持いただいている大きな理由と考えています」。
ウイングアークは日本に営業と開発拠点を7ヵ所、海外にもシンガポールのほかに中国・上海、北京に販売やインテグレーションセンターを、ベトナム・ホーチミン市にアジア・グローバル・サポートセンターを持つ。
「東南アジアに進出される日系企業を中心に、現地で当社製品とサービスをお届けし、サポートするためにシンガポールに拠点を設立しました。シンガポールは、東南アジアで最も経済基盤がしっかりしており、多くの情報が集まってくる国です。現在は日系企業が中心ですが、ローカル企業のニーズも捉え、対応していきたい。また、シンガポールは企業のITへの投資意識が高く、市場としても魅力があります。ITインフラも整っているので、クラウドで当社のソリューションサービスを提供していきたいと思います」。