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企業ニーズに応えるクラウドシステムと電子看板をアセアン市場へ

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システム開発、販売を手掛ける株式会社コスモサミット(本社・石川県金沢市)が同社初の海外法人をシンガポールに設立、7月から営業拠点として業務を開始している。

 

扱う製品についてダイレクターの杭田安弘(くいだ やすひろ)さんは、「当社が得意とする工場の生産管理や工程管理、在庫管理システムなどに加え、シンガポールでは会計クラウドシステム、そしてデジタルサイネージ(Digital Signage:電子看板)を主力として扱いたい」と話す。

「会計クラウドシステムは既にシンガポールのデータセンターでサービスを開始しています。シンガポールのデータセンターは自然災害リスクの低さ、電力の安定確保、通信環境の充実、政府の支援が厚いといった特徴があり安心感があります。デジタルサイネージは、すでにシンガポールでもショッピングモールやホテルで多く利用されています。通常の情報掲示に利用されるほか、タッチパネルでインタラクティブに情報を得るようなコンテンツをつくることができます」。

 

製造業のシステム開発に強み、近隣国の生産拠点で営業

コスモサミットは繊維、鋳造、機械加工、組み立て、部品加工など業界を絞った業務管理システム開発に強みを持つ。

 

「特に鋳造業では鉄を炉で効率よく、無駄なく溶かすスケジュール管理用のシステムとして、当社の製品が高く信頼されています。当社のパッケージソフトは、各業種のニーズに合わせ特化しており、不要な機能は省いてシンプルに仕上がっています。大企業向けだけでなく、中堅企業向けに機能を絞り低コストで導入できるシステムもそろえています」。

 

シンガポールは近隣諸国との状況を踏まえて、同社初の海外拠点として選ばれた。

 

「長いお付き合いのあるお客様がインドネシアにおられ、これまでは日本から出張ベースで業務を進めてきました。海外進出する日系企業の増加を受けて、東南アジアへの進出を考えたとき、インドネシアに拠点を置くという案もありました。しかし、マレーシア、タイ、インドネシア、ベトナムというようにシンガポールの周りには当社が得意とする製造業の工場が多くあることと、生産拠点はそうした国にあっても、決裁権を持つ統括本部はシンガポールにあるというケースも多いため、アセアン全域に対応できるようシンガポールに拠点を置くことに決めました」。

 

今後の事業展開と目標について、杭田さんは次のように話す。

 

「現在、シンガポール事務所の人員は私1人ですが、今後は技術者や営業人員を集めサポート体制を強化します。アセアンに進出している日系企業や現地企業とも連携して事業を拡大し、3年後には顧客100社、3億円の売り上げを目指します。そして、シンガポールに限らず周辺国の現地需要を模索して新規顧客の開拓につなげていきます」。