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衣類やバッグを日本の品質で修繕。愛着あるアイテムをよみがえらせる

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お気に入りの服が破けてしまったり、袖がほつれたり、サイズが合わなかったりした場合、処分したり、着ずにしまったままにした経験はないだろうか。特に海外に暮らしていたら、なおのこと。5月下旬、リャンコートにオープンした服のリペアストア、ビック・ママはそんな愛着あるアイテムの“お直しコンシェルジュ”だ。

 

ビック・ママは日本では関東を中心に68店舗(2014年8月1日現在)を展開する。

 

「服の修繕、かけはぎ、サイズ直し、デザインの変更など、ミシンを使う作業ならなんでもお受けできます」と、リャンコート店ストアマネージャーの福田結子さん。「どの部分をどのように直したいのか。お客様のご希望を聞き、こちらからもアイデアを出し、ご予算に応じた提案をいたします」。

 

シンガポールはビック・ママの海外第1号店となる。リャンコートという場所柄、現在は顧客の8割が日本人という。

 

「日本のビック・ママを知っていらっしゃる方からは、『シンガポールに来てくれるのを待っていました』と言われます。依頼で多いのは、ブラウスの袖の修理や、日本から持ってこられた男性物のスーツやスラックスの修理などですね。こちらに来て、日本人だけでなく地元の方からも日本のクオリティが信頼されていると感じます」。

 

店内には色とりどりの糸が用意されている。これらは日本から持ってきた糸で、すべりが良くて針の通りがなめらか。しかも切れにくく、丈夫なのだという。シンガポールの店はビック・ママの日本の平均的な店に比べても備品が充実している。バッグの修理などは現在は日本の本社に送っているが、将来的にはシンガポールであらゆる作業ができるようにしたいと福田さんは話す。

 

海外店舗の業務に対応すべく社内システムの国際化を推進

リャンコート店をスタートに、シンガポールで店舗を増やす計画がある。日本でも2~3坪の店舗があるように大きなスペースを必要としないことも、店舗の賃貸料が高いシンガポールでの展開には有利に働くだろう。そして日本人だけでなく、地元客への浸透もめざす。一方、シンガポールだけでなく、積極的に海外進出を図っており、ニューヨークやパリでの出店計画もあるという。

 

「伝票は日本語、英語、中国語で入力・出力できるようになっていて、シンガポール人スタッフでも注文の受付けができます。ただ、シンガポールではファッションデザインの洋裁は盛んですが、修繕の仕事はよく知られていないようで、スタッフの確保にはやや手間取っています。ビック・ママは日本では新卒を採用し、基礎から教えて人材を育てています。女性が一生働ける職場づくりに努めている会社であることをシンガポールでも知っていただけたらと思います」。