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独自技術と高品質の釣具で東南アジア市場へ攻勢をかける

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世界的な釣り具メーカーとして知られるDAIWA(本社グローブライド株式会社)が昨年1月、シンガポールに新たな拠点を設立、東南アジア市場の開拓を目指す。当地に進出した理由の一つとして、Singapore Daiwa Pte. Ltd.営業部長・戸田啓介さんは次のように語る。

 

「東南アジアに向けて製品を輸出するにあたっては、流通の利便性や輸入関税の優遇などの点から、シンガポールは合理的です。当地ブランドに押されがちな東南アジア市場でより当社製品を認知してもらうために、日本市場で扱っている高品質のリールやロッド(釣り竿)などの流通を拡大することはもちろん、東南アジアのユーザーに合わせた新製品の開発も並行して行っています」。

 

釣りは世界中で親しまれているレジャーだが、ひとえに釣り竿といっても種類はさまざまあり、釣りたい魚や釣種によって使い分けられる。さらにその使い分け方は、アジアの中でさえ異なるという。

 

「たとえば日本では、ルアーフィッシングと餌釣りをする時に使う釣り竿は異なりますが、東南アジアでは、ルアーロッド1本で色々な釣りに応用します。こう言うと一見大ざっぱに見えるのですが、微細な部分にこだわりも多く、その土地の文化や趣向は多岐にわたって進化を続けています。よって、現地のニーズに合った製品開発は非常に重要なのです」。

 

研究熱心なシンガポールの釣り人と日本人の釣り愛好家の交流を

シンガポールは釣り愛好家が多く、使用する道具に対しても非常に研究熱心であることから、市場としての魅力は大きいという。

 

「現地の釣り人はより精度の高いツールを求めて、日本で人気の釣り具についての情報なども積極的に収集しています。当社としては、宇宙服で使用されている磁性流体を応用した防水性能に優れたリール(MAGSEALED)等、業界唯一無二の技術力によって生まれた最新鋭の釣具から、廉価かつ高品質のエントリーレベルの製品まで総合的に取り揃え、東南アジアの釣りニーズに応えていきたいと思います」。

また、戸田さんは地元の釣り人と、在星邦人の釣り愛好家とが交流できる機会を実現したいと考える。

 

「日本人の釣り愛好家の方々は、しっかりとした基礎技術を持っていらっしゃいます。その技術が地元の人との交流することによって釣具市場が活性化することはもちろん、釣りを通して良い余暇を過ごして頂ければと思います。駐在期間中はストレスも多いかもしれません。レジャーの分野で当社が少しでも貢献できることがあれば、非常にうれしいことですね」。