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福利厚生サービスを通じ、良質の日本文化を海外へ

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福利厚生代行サービス事業を手掛ける株式会社ベネフィット・ワン(本社・東京都渋谷区)が昨年10月、シンガポールに進出、伊藤忠商事株式会社と合弁でBenefit One Asia Pte. Ltd.を設立した。

 

日本では企業の福利厚生のアウトソーシングが進んでおり、ベネフィット・ワンは約4,000社の顧客を持つ。会員となった団体の従業員は旅行、レジャー、ビューティー、グルメ、ショッピング、語学学習などさまざまなサービスの中から好きなものを選び、優待価格で利用できる。

Benefit One Asia Pte. Ltd.セールスマネジャーの森椙(もりすぎ)愛子さんは、シンガポール進出について2つの理由があると話す。

 

「グローバル展開をされているお客様から、海外でもサービスを使いたいという要望がありました。また、アジア地域では現地スタッフの定着率が低く、日系企業が困っているという話を聞きます。シンガポールでの福利厚生は保険や医療費補助が主流ですが、現地スタッフの会社に対するロイヤリティを高める施策として、当社のような福利厚生サービスが今後必要だと考えます」。

 

5月からのサービス開始に向け、コンテンツを提供する企業との契約を進めている。

 

「飲食、旅行、スパ、レジャーなど、多様な業種のサービスを提供できることが当社の強みの一つです。まずはサービス開始に合わせて100社の企業と提携を目指しています」。

 

日本と世界を結ぶサービスの流通創造

ベネフィット・ワンの主幹事業は福利厚生事業ではあるが、その本質はサービスマッチングであり、めざすは日本の良いものをアジア、世界へと展開するサービスの流通創造だという。

 

「シンガポールで提供する福利厚生サービスのラインナップとして、まずは日本の商品、サービスを中心に開拓し、そこから地場のサービスへ拡大していきます。一方で、実際のサービス利用者のほとんどは現地のスタッフの方々。そこで、当地でサービス展開されている企業様に関しては、当社のプラットフォームをうまく活用していただければ、福利厚生という制度を通じてローカルの消費者にも効率的にプロモーションすることができます」。

 

ベネフィット・ワンにとってシンガポールは上海、米国サンノゼに続く3都市目の海外拠点となる。東南アジアではインドネシアとタイ、また台湾での展開も視野に入れる。

 

「シンガポールと異なり、タイ、インドネシアでは“社内マイレージ”のようなポイントプログラムの提供を考えています。営業成績や勤続年数などに応じて、インセンティブとして社員にポイントを渡す。社員はそのポイントを貯めて、当社の提携サービスラインナップの中から好きなものに交換できるというシステムです。ポイントであれば少額単位からの付与も可能で、社員のモチベーションアップになると同時に、サービス提供企業様の商品紹介の場にもなればと考えています」。