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オンラインとオフラインで包括的マーケティング・リサーチを展開

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リサーチからITソリューションまでマーケティング領域において幅広いサービスを提供するクロス・マーケティンググループ(東京証券取引所マザーズ市場上場)がさる9月、シンガポールに連結子会社Cross Marketing Asia Pte.Ltd.を設立、業務を開始した。

 

同社はM&Aによってインドのマーケティング・リサーチ会社を子会社化し、また世界各地に現地提携パートナーを持つことにより世界85ヵ国以上で調査を行うことを可能にしている。その中でシンガポールは同社にとって2012年に営業を開始した中国・上海に続く2ヵ国目の海外拠点となる。Cross Marketing Asia Pte. Ltd.のマネージング・ダイレクター、野宮成晃さんはシンガポール進出について、創業10年を迎えてのさらなる成長戦略の一環と話す。

 

「東南アジア諸国が消費マーケットとして注目を集める中、最近は東南アジア地域でのマーケティング・リサーチ案件が増えています。今までは東京のグローバルチームが東南アジアの案件を担当していましたが、シンガポールに拠点を持つことで、お客様とのより密なコミュニケーションが可能になります。また今後域内でネットワークを構築していくことを踏まえて、シンガポールの事務所は営業と地域統括の拠点という位置づけです」。

 

クロス・マーケティンググループは、2003年にインターネットを使ったマーケティング・リサーチ会社、株式会社クロス・マーケティングとしてスタートした。クロス・マーケティングは、日本では約167万人ものモニター会員を擁する。また、オンラインとオフライン、すなわち、ネットでのマーケティング・リサーチのほかグループインタビューや聞き取り調査を行うオフラインリサーチの両方を手がけ、フルサービスのマーケティング・リサーチサービスを提供している。

 

日本とは異なる東南アジアでのマーケティング・リサーチ

「当社では、お客様のご要望に合わせ、対象国、対象マーケット、対象者属性、調査テーマ等について総合的に検討し、豊富な調査メニューから最適な調査手法をご提案しています。

 

企業のビジネス、マーケティングにおける意思決定の際に必要な情報を集めるという点では、日本と東南アジアでは共通しているが、手法は異なるという。

 

「日本ではオンラインで信頼のあるデータを得ることができますが、東南アジアでは、インターネットのインフラがまだ未成熟な国、地域があることから、十分なサンプル数をオンラインで確保することが難しいケースも多々あります。それゆえ、東南アジアではオフラインでのマーケティング・リサーチが非常に重要であり、オフラインのプロジェクトでのより安定した運用体制を確立することを目指しています」。

 

クロス・マーケティングの強みの一つとして、野宮さんはクロスの「人」を挙げる。

 

「日本で約167万人の質の高いモニターを管理するオンライン技術を持つ一方で、「人」による柔軟性とプロフェッショナリズムがクロスのプライドなのです」。