AsiaX

健康と美容をコンセプトに日本にはない「白木屋」を展開

photo-1

日本で居酒屋「白木屋」をはじめ、さまざまな人気店を展開する株式会社モンテローザがシンガポールに進出し、昨年12月、SHIROKIYA SINGAPORE PTE LTDを設立した。今年10月31日にカッページテラスに第1号店をオープンする予定だ。店名は日本人にもなじみの深い白木屋をそのまま使うが、モンテローザ海外事業部統括本部長の大野隆史さんによると日本の白木屋とは全く異なる店になるという。

 

「シンガポールには世界各国の食があふれていて、日本の居酒屋も、日本料理レストランもすでにたくさんあります。そんな中で差別化を図るために、ヘルシーな日本料理をコンセプトに白木屋を開店します。この店には日本人の方がご存知の白木屋のイメージはない、と言っても過言ではありません」。

 

豆富・健康美食、ジャパニーズ・ヘルシー・ダイニングと銘打つこの白木屋では、目玉として、豆富、汲みあげ湯葉、そして健康と美容に効く栄養素として注目のコラーゲン、カプサイシン、リコピン、ヒアルロン酸ジュレを含む食材を使ったメニューを提供。また食材のトレーサビリティを厳密にし、豚肉は米国産黒豚、鶏肉がマレーシア産というように産地と生産場がわかるように食の安全にも配慮する。

 

「豆富は店で製造し、まさにできたての温かい豆富を召し上がっていただきます。湯葉はお客様のテーブルで汲みあげるスタイルです。カプサイシンたっぷりのチゲ鍋や、ヒアルロン酸ジュレを含むゼリー状のソースをかけた冷やしトマトなど、美肌効果が期待できるメニューのほか、デザートとして豆乳と抹茶のオリジナルアイスクリームを提供します」。

 

日本で広めた「女子会」をシンガポールでも浸透させる

シンガポールの白木屋がターゲットとするのは、20代~30代の女性。日本では女性同士で飲食を楽しむ女子会が社会に定着している。この女子会をシンガポールでも流行させたいという。

 

「シンガポールは女性の社会進出が盛んな国なので、ぜひ20代~ 30代の働く女性に女子会を開いていただきたいと思っています。ちなみに『女子会』という言葉は、当社がキャンペーンを行ったときに使ったのが最初。流行語大賞にも選ばれました」。

 

日本のモンテローザでは食材や料理によって店のブランドを分けるが、シンガポールではこのように女性向け、健康・美容などといったコンセプトに基づいて店舗を展開する。このような店舗展開のあり方は大野さん自身、「日本よりもシンガポールの方が進んでいるのかもしれない」と話す。そして、将来はシンガポール発の店舗形態が日本へ逆輸入されることもありえるという。こうして日本とは異なる戦略を進める一方、受け継ぐ面もある。

 

「日本に行ったことのあるシンガポール人のお客様は、本物の日本の味を知っています。だから調味料などは日本のものにこだわります。そしてやはり『いらっしゃいませ!』と日本語でお客様をお迎えする元気と、おもてなしの心で日本の居酒屋らしさを出していきたいと思います」。