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0円ノートを学生に無料配布&独自のネット広告をアジアで展開

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「必要なものを必要な人へ」をミッションに掲げ、メディアの開発・運営を行うクロック・オン。小学生から大学生に企業や映画の広告入りのノートを無料で配布する「O円ノート(応援ノート)」、いろいろなウェブサイトの広告枠を集めてネットワーク化し、一括して広告枠に配信する「TARGET ON(ターゲットオン)など、同社が日本で展開する情報伝達手段は、斬新なアイデアに満ちている。クロック・オンは2008年4月創業と若い会社だが、2012年4月にシンガポールへ進出、現地法人を設立した。

 

「当社は日本ではO円ノート、TARGET ON、社内インフラの構築・再設計のコンサルティングサービス、さらにグループ会社が大分県中津市発の唐揚げ専門店『鳥丸』を運営しています。これらの事業のうち、シンガポールではまずO円ノートとTARGET ONを手掛けていきたいと考えています」と、東俊輔(ひがし しゅんすけ)代表取締役は話す。

 

シンガポールの会社をグローバル本社として位置づけ、近隣国への展開を考えているという。

 

「シンガポールに会社を設立したのは、東南アジアのハブだから、というのが最大の理由。今期中にはマレーシア、インドネシア、タイ、台湾への展開も考えています。特に注目しているのはインドネシア。人口が2億人を超え、今、非常に成長しています。シンガポールでO円ノートを展開するにしても、学生の数は限られていて企業にとってはあまり広告メリットがない。だから、シンガポール、マレーシア、インドネシアなどとのセットプランを考えています」。

 

学生向け広告市場でトップをめざす

O円ノートには、企業の広告が表紙から中の全ページに入る。学生が毎日ノートを使うたびに必ず広告を目にするように、しかもノートを使い切るまで2~3ヵ月の長期に渡って広告を見るように作られている。

 

「広告を出稿いただく企業によって、どのようなO円ノートがいいか好みが異なるので、私たちはその要望に応えます。さらに海外では、国ごとにO円ノートのカスタマイズが必要になってくると思います」。

 

シンガポールで計画するもう一つの事業、「TARGET ON(ターゲットオン)の展開に関して、当地のネット広告の状況は日本より進んでいるという。

 

「企業にとって、広告の費用対効果がわかるのがネット広告の特長の一つです。ウェブを訪れるユーザーを把握し、関心を持ってもらえそうな商品の広告を出す。このキーワード・ターゲティングというネット広告の技術は、シンガポールの方が進んでいます」。

 

シンガポールを拠点にした今後の展開について、東氏は「スピードが勝負」と言い切る。10月からは本格的に実現に向けて動き出し、2013年1月にはO円ノートの配布を開始したい考えだ。

 

「今後5年以内に、東南アジアで学生をターゲットに広告を打つなら『O円ノート』といわれるようにしたい。学生市場でナンバーワンを目指します。事業を展開する国それぞれで問題が出てくるとは思いますが、一つ一つ解決して進んでいきたいと思います」。