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“第二の創業”アセアン進出企業に積極投資

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日本で金融・不動産投資業務を行うリサ・パートナーズがシンガポールに現地法人を設立した。海外進出は初めて。この地を戦略拠点として、アジア・太平洋地区に進出する日本企業を中心に積極投資を推し進めていく。

 

日本企業の進出においては、当地でのファイナンス面での支援や、駐在事務所を持つ地方銀行との協業などに注力。地方企業もアジア市場に目を向けている中、75行の地方銀行と提携している同社は、各種支援を展開していく意気込みだ。

 

来星から1ヵ月という梶岡太郎ヴァイス・プレジデントだが、すでに50社を超える企業と面談するなど予期していた以上のスピードで物事が進んでいて、早くも10件以上の案件が検討段階に入っているという。今後は、日系企業に加え、ローカル企業の支援にも乗り出していく。

現段階では、飲食業やメーカーなどの案件が多いが、投資対象となる業種を限定せず、前向きな姿勢でさまざまな事業に投資していきたい考えだ。

 

強力支援、積極投資の体制は万全

同社では、十把一絡げではなく各社各様に合った企業進出支援策を打ち出す方針。そのために、シンガポール国際企業庁のシニアマーケットオフィサーおよび在京シンガポール共和国大使館商務部の商務官を経て、インキュベーションオフィス「クロスコープシンガポール」のダイレクターを務める関泰二氏と、関氏と同じく商務官として東京勤務の経験もあるシャウ・ウェイチー氏の2人をダイレクターに迎え、強力支援・積極投資の体制を万全にしている。

 

シンガポールに実際に赴任してみて「日本発のナショナルブランドとして、シンガポール市場で広く認知され、確立されているものが、現状では少ないのではないかという気がしています。業種や業態などによっては他国の後塵を拝しているものもあり、日本人としては非常に寂しいですね」と語る梶岡ヴァイス・プレジデントは「ブランディングにアセアン流の解釈を取り入れ、一工夫加えることが重要」と確信。3人体制からのスタートだが、ゆくゆくはスタッフを増員し、アジア全域の案件を担えるよう、社内の機能を整えていく。

 

「投資銀行業務は、会社の看板を背負いつつも、一個人を信頼していただけるかどうかにかかっています。弊社にとって、初めてとなるシンガポールへの海外進出は、第二の創業という意識。どのような角度からでも支援できるインベストメントバンカーとして成長し、皆さんから気軽に声をかけていただける存在になることを目指していきます」。