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南から北へ、シンガポールからアジア全域に

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大阪府、兵庫県を中心に複数の業態の飲食店などを展開しているサンパークが、アジア圏での店舗展開を一気に加速させていく。手始めにシンガポールで海外1店舗目を構える。

 

日本では「びっくりドンキー」、「洋麺屋ピエトロ」、「丸源ラーメン」をフランチャイズ加盟店として運営、自社ブランドではお好み焼きと焼きそばを提供する「感激たぬき」をはじめ、「バイキングわっしょい」、「讃岐髙木うどん」などを展開している同社だが、シンガポールではあえて競争が激化しているラーメンの新業態店で市場攻略を仕掛けるようだ。「石焼スープ麺という珍しいメニューを前面に打ち出し、他社との差別化を図ります」と話すのは、葭本正樹取締役経営企画室室長兼リテール事業部部長。じゅわ~っと“噴火”する看板メニューにちなんで名づけられた店舗ブランド名は「豚骨火山」。熱された石焼鍋に麺と具が入った状態で出され、お客の目の前でスープが注がれるというこれまでになかったスタイルのラーメンが、シンガポールに登場することになる。

 

「右手にソロバン、左手にロマン」で南から北へ

サンパークは2010年末に海外に打って出る方針を固め、徹底的な市場調査を綿密に重ねて昨秋にはシンガポールに現地法人を設立した。昨年、社員旅行という形で社員全員が来星している。シンガポールを皮切りに、ジャカルタ、クアラルンプール、バンコクと北上し、台湾、最終的には中国本土での店舗展開を狙っていく。足場を固めることになるシンガポールでは、3~5店舗の出店を見込む。

 

社内で先陣を切って市場開拓に励んでいるのが吉田正道マネージャー。赴任し、開店準備にいそしむかたわら、すでにシンガポールにあるラーメン店を40店舗以上食べ歩いたという熱血漢だ。「熱いものは熱く、熱い心でもてなして、冷たいものは冷たい状態で提供していきます」。

 

「右手にそろばん、左手にロマン」を提唱するサンパークの今期(2013年3月期)の年商見込みは42億円。5年後には売上高100億円と倍以上の規模の成長を目論み、その売上高の3割をアジア市場で稼ぎ出そうとしている。アジアで30店の出店を計画、外食ビジネスでフランチャイズと自社ブランド展開両方のノウハウを有する同社の今後の動きに注目が集まりそうだ。