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日本国内で鞄最大手のエースがアジアで販売展開本格化

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スーツケースや旅行用鞄、ビジネスバッグで有名なエースが、今年に入ってシンガポールに現地法人を設立した。各種バッグの製造・販売を手がけるる同社は、1940年に創業した老舗メーカーで業界最大手。オリジナルの自社ブランドと、2006年に買収した米国発の老舗ブランド「ゼロハリバートン」やイタリアの革製品ブランドの「F.CLIO」などを主軸に展開し、日本国内では百貨店系264店舗に加えて直営45店舗を構えている。中国・上海に合弁会社を持ち、イタリアのミラノと米国には現地拠点を置いているが、マーケットを拡大するため、東南アジア市場開拓における戦略・販売拠点としてこの地に会社を構えた。時期を同じくして香港にも拠点を構えるなど、海外への販売展開をここにきて本格化させている。

 

日本ではスーツケースやビジネスバッグといえば、同社の知名度が絶大。マネージングダイレクターの野口雄一郎さんはシンガポールを起点にアジア展開を押し進める中で、足下となるシンガポール市場について、飛行機で旅行をする消費活動が増えており、スーツケースを含めて確実に伸びる市場と捉える一方、男性が通勤バックを持っておらず、手ぶらでスマートフォンをいじっている人が多いことから、この市場でどのようにビジネスバッグを売って行くのか、戦略立案のしがいがあるとみている。「日本の品質だけで売れる時代ではなくなり、高い品質基準をきちんと消費者に伝えることに加えて、広告宣伝の手法や、メディア露出の仕方、価格設定、商品の見せ方、店舗展開など総体的にきちんとしたブランディングを進めて行かなければなりません。また、日本人は鞄が好きですが、アジアは仮に所得が上がっているにしても消費の仕方が日本人のそれとは同じではないだけに、並々ならぬ情熱を持って市場開拓に力を注いでいきます」と、一筋縄ではいかない巨大市場を見据え、綿密かつ大胆な市場開拓を展開していく。同社はビジネスハブとしてのシンガポールという地の利を重要視しており、物流拠点とショールーム、直営店を設けていく計画だ。

 

社内人材育成が急務「海外で戦える人を増やすこと」

今後の展開は、販売網としてはインドネシアとインド市場を有望視。製造基地を中国・上海からミャンマー、バングラデシュ、インドに拡大していく狙いがある。このようにさらに市場拡大を狙う同社にとって、海外で通用する人材育成が急務。野口さんは大手商社で長年勤務した後、同社に転職し、東南アジア市場の開拓を一任された。商社勤務時代は、24歳の時から2年間ホーチミンに駐在していたという野口さん。「貴重な経験をさせてもらったと、今になって実感しています。社内にどこに行っても将来、戦える人を増やさないと」とし、人材育成を自身に課せられた最重要ミッションと捉えている。では、野口さんの考える海外で通用する人物像とは。「語学力ではなく、人間力に尽きると思っています。物を売るのも買うのも人である限り、この人と仕事をしたいと思わせる人であれば、どこの国に飛び込んだとしても、やっていけるのではないでしょうか」。