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企業IT・システム相談

2007年7月30日

Q.膨大な件数のデータの利用と管理にデータベースを使ってみよう。

データベースを使ってみよう

会社で必要とするデータをすべてExcelで管理している会社は結構多い。Excelは強力な表計算、データ分析機能を持つ。ベーシックなデータベース機能もある。とても使いやすい。扱うデータの量がそれほど大きくなければ、ちょくちょくバックアップファイルを作るくらいで問題は起きない。

 

扱うデータの量が増えてくると危険な落とし穴が待ち構えている。Excelの利点でもある簡単にデータを書き換えられるということに起因する。何千行にもおよぶデータのどこかにカーソルがあり、気づかずにキーボードのいずれかのキーを押してしまう。その場で気づけば「元に戻す」で戻せるが、そのまま、上書き保存してしまえば書き換えられた部分を探すのは大変だ。セルの挿入も注意が必要だ。挿入した行以降のデータが全部ずれることがある。連番を付けていなければ並べ替えを行い、一旦保存したファイルからはもとの順序へは戻せない。

 

データベースは、大量のデータを効率良く保存、管理するためのソフトウェアだ。当社ではExcel で管理するデータが500行を超えたら、そろそろデータベースにしませんかと勧めている。データベースではテーブルと呼ばれる表でデータを管理する。これはExcelのワークシートに似ている。データベースは複数のテーブルを相互に関連させることができる。これにより、たとえば顧客データと注文データを別々のテーブルに保存できる。顧客の住所等は顧客テーブルで管理する。注文書へ出力する顧客の住所等は顧客テーブルからデータを持ってくる。毎回、住所等をコピー・ペーストする必要は無い。MS Accessのように基本的な機能だけでデータを管理することもできるが、通常はデータベースアプリケーションと呼ばれるものを作成する。業務効率を大幅にアップできるが、逆にこのことがデータベース利用の敷居を高くしている。

データベースを使うにはデータベースソフトが必要となる。データベースソフトにはどのようなものがあるだろうか。シンガポールで目にするデータベースソフトを簡単にまとめてみよう。

 

  1. Microsoft Access
    Microsoft Office に含まれるデータベースソフトウェア。使いやすく機能も豊富。業務システムに使えるデータベースアプリケーションも作成可能。
  2. Microsoft SQL Server(Microsoft SQL Express)
    本格的なデータベース。大規模なデータベースの構築も可能。性能、信頼性も高い。SQL Expressは無料で使える。アプリケーション開発にはVisual Studio等のソフト開発環境が必要。AccessでもSQL Server用のアプリケーションを作れる。
  3. Microsoft Visual FoxPro
    シンガポールではレストラン等のキャッシングマシン(POSシステム)でよく使われている。Microsoftは今年3月この製品の打ち切りをアナウンスした。メインストリームサポートは2009年12月31日で終了する。

 

この他にも、SQL Serverと同じクラスのソフトとしてOracleやIBMのDB2等がある。これらはWindowsのみでなくメインフレームやLinux上でも使える。

最後にExcelからデータベースへの移行を楽にするためにExcelを使う上での注意点をまとめてみよう。

 

  1. Excel上で記録するデータ項目を厳選する。
  2. 連番を付ける。これはデータベースに移行した際、キーと呼ばれる重要な項目となる。Excel上での並べ替えも安心して行える。
  3. データの種類を決めて、それ以外の種類のデータはその項目に入れない。たとえば登録日を入れるところには日付のみを入れる。「未登録」なんて入れてはいけない。これはデータベースでは許されないからだ。
  4. データのフォーマットを揃える。たとえば郵便番号。半角で数字のみ入力、というように決める。
  5. 定型的な項目、たとえば商品区分等はコンボボックスを使って必ず同じデータが入るようにする。入力も楽になる。
  6. 通貨記号は書式で設定する。S$等は書式で設定する。手入力すると数字と認識されなくなることがある。複数の通貨を扱う必要がある場合は、別の列を通貨指定用に用意する。
  7. 日々、あるいは週毎に異なるファイル名でバックアップファイルを作成する。履歴ファイルを残すことにより誤った変更等の復旧時に役立つ。

 

将来的にデータベースへの移行を考えているならば、専門家に相談することをお勧めする。

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.103(2007年07月30日発行)」に掲載されたものです。
取材協力=ヒューミント 川田康廣
本記事は一般的情報の提供のみを目的として作成されており、個別ケースについて、正式な助言なく、本情報のみに依存された場合は責任を負いかねます。

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