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健康相談

2012年4月2日

Q.何も思い当たることがないのに、肩が痛くなり腕が上がりにくくなりました。四十肩や五十肩と言われるものなのでしょうか?

四十肩・五十肩・肩関節周囲炎

肩を動かす筋肉にはアウターマッスル(体の表面に近い部分の筋肉)とインナーマッスル(体の表面からは確認できない奥まった部分の筋肉)があります。肩のインナーマッスルの腱をローテーターカフ、回旋筋腱板もしくは単に腱板と呼びます。老化により腱板の血流が悪くなったり硬くなったりすることで炎症が起こると、肩関節が痛み、腕が上がりにくくなります。また、滑液包(関節に接する平らな袋で、骨と筋肉、腱、靭帯などとの摩擦を減らし関節の動きを良くします)や関節包(関節を包む袋で、本来柔軟性があります)が癒着すると、さらに運動制限が進みます。それらが、四十肩や五十肩と呼ばれる状態で、正式には「肩関節周囲炎」と言います。

 

「肩関節周囲炎」の症状は、運動痛と夜の痛みです。髪を整えたり、服を着替えたりすることが難しくなり、夜中に痛むことが多いようです。自然に治ることもありますが、放置するとこわばりが強くなり、日常生活にかなりの支障を来たすこともあります。

 

「肩関節周囲炎」を予防するには、普段から肩の血流を良くし、柔軟性を保つことが大切です。まず、肩が冷えないようにしましょう。特に、冷房の効いたところで上半身裸で寝ることなどは禁物です。また、日頃から肩の適度な運動も心がけましょう。肩を大きくゆっくりと動かすことから始めてみてください。十分なストレッチをせずに肩を激しく動かすことは、腱板の損傷を起こす原因となり、逆効果となることがあるので注意してください。

 

「肩関節周囲炎」は、安静にしていても痛みを感じる急性期と腕を上げる時だけ痛みを感じる慢性期があります。急性期か慢性期かにより対処方法が異なります。急性期は痛みを和らげることを目的に行い、慢性期は肩関節の可動域(動かせる範囲)を広げることを目的に行います。

急性期の治療

 

  1. 安静、固定:三角巾、アームスリングなどを用いて、運動を制限します。
  2. 冷却:患部を冷やし炎症を鎮めます。
  3. 薬物療法:内服薬や外用薬の消炎鎮痛剤を使用します。症状の強い場合は、滑液包または関節包にステロイド注射を行います。

 

慢性期の治療

  1. 理学療法:介助運動による可動域増強訓練も有効です。
  2. 温熱療法:ホットパックや入浴などを、可動域増強訓練の前に行うと痛みも和らぎ、訓練の効果も上がります。
  3. ヒアルロン酸の注射:関節液の成分でもあるヒアルロン酸を滑液包または関節包に注射することは、可動域を広げることに有効です。

 

痛みや運動制限が強い場合は、MRI検査で腱板の断裂などの異常がないかを確認する必要があります。

また、肩の痛みを引き起こす病気は多く、関節リウマチや感染症が原因であったり、骨、筋肉、関節などには問題のない場合もあります。中には心筋梗塞などの重大な疾患もあるので、まずは医療機関を受診されることをお勧めします。

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.209(2012年04月02日発行)」に掲載されたものです。

本記事は一般的情報の提供のみを目的として作成されており、個別ケースについて、正式な助言なく、本情報のみに依存された場合は責任を負いかねます

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