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健康相談

2012年2月6日

Q.日本ではマイコプラズマ肺炎が流行中と聞きました。どんな症状なのですか?

マイコプラズマ肺炎・感染症について

日本では近年小児を中心にマイコプラズマ肺炎が増加しており、2011年の患者数は例年の2倍以上と流行しています。シンガポールでも時折小流行があります。

 

マイコプラズマという細菌の一種が、患者の咳やくしゃみを通じて体内に入ることで感染します。学校等で流行したり、家族内で感染を起こします。また、マイコプラズマは増えるのに時間がかかるため,感染してから発症するまでの潜伏期間は約2~3週間と長いのも特徴です。

 

症状

マイコプラズマ感染症の症状は、痰のない乾いた咳が特徴的で1か月近く続くこともあります。また、発熱、頭痛、倦怠感、目まいも見られます。他にも、多形紅斑などの発疹や、髄膜炎、心筋炎や肝障害なども起こすことがあります。

 

1歳以下ではマイコプラズマによる肺炎はまれですが、2歳以上になると次第にマイコプラズマによる肺炎が増え,6歳以上(学童期)ではマイコプラズマが肺炎の原因を占める割合が極めて高くなります。

 

マイコプラズマ感染症には自然に治癒したり,肺炎を発症したとしても軽症から中等症ですむ人が多いのですが,中には重症化する人もいます。その理由としてマイコプラズマが体内に侵入すると排除しようと免疫が働きますが、免疫力の高い若い健康な人ほど免疫反応が過剰に起きることがあり、マイコプラズマだけでなく自分自身の組織も障害してしまうからです。

 

検査法

マイコプラズマの培養には特殊な培地が必要ですし、結果が出るのに1週間以上かかるため普通は行いません。 マイコプラズマの診断には、免疫物質の1つである抗体を測定します。マイコプラズマに対する抗体は、発症後5~7日間経過しないと検出できないため、感染初期には診断が困難です。またこの抗体は治癒後も長く検出されることもあるため、現在の感染か過去の感染かの区別がつかないこともあります。

 

治療法

マイコプラズマは細菌に特有な細胞壁を持たないため、有効な抗菌薬が限られています。マクロライド系抗菌薬(ZITHROMAX、KLACIDなど)が小児では第1選択薬でした。

 

しかし日本ではマクロライド系抗菌薬の効かない「耐性型」マイコプラズマが年々増加しています。このため咳などの症状が長引いたり、重症化するために最近の流行を引き起こしていると考えられます。

 

耐性型マイコプラズマに対して、小児で使える抗菌薬はテトラサイクリン系(ミノサイクリンなど)ですが、骨の発育障害、歯の黄染などの副作用があるため、妊婦や授乳中の女性や歯牙形成期にある8歳未満の小児には投与を避けるか、他の薬剤が無効の時のみ短期間使用すべきとされています。成人では、他にニューキノロン系抗菌薬も使用可能です。

 

またマイコプラズマに対するワクチンはありませんので、マスクやうがい等の感染予防が重要です。

 

「いつもの風邪と違う」と感じた時にはマイコプラズマ感染症を疑い、早めに医師に相談しましょう。

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.205(2012年02月06日発行)」に掲載されたものです。

本記事は一般的情報の提供のみを目的として作成されており、個別ケースについて、正式な助言なく、本情報のみに依存された場合は責任を負いかねます。

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