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汚れ役を買って出ろ!

ロングセラーを続けている私の著書『あたりまえだけどなかなかできない 上司のルール」(明日香出版)』にも少し書いていますが、部下に嫌われる、部下に嫌がられると分かっていても、やり抜かなければならないことが上司にはあります。

 

 

先日、オリンピック水泳平泳ぎで2大会連続2種目金メダル獲得の偉業を成し遂げた北島康介選手のコーチ、平井伯昌さんが書かれた著書『見抜く力―夢を叶えるコーチング (幻冬舎新書) 』に、北島康介選手が中学3年生の時のエピソードでこんな一節がありました。

 

 

『当時、康介の練習を見ていて、ジュニア・オリンピックで中学記録が出そうになったことがあったのだ。周りの人たちも、「この調子でいくと、中学記録が出るだろう」と騒ぎはじめた。だが、それまで学童記録を出した選手を何人も教えていた私の経験からして、変に注目を浴びてほしくなかった。チヤホヤする外野が増えると、かえって面倒なことになる。そこで、試合前の練習を厳しくした。うまく泳げていると思っても、「やり直し!」と声をかけ、いつもより負担をかけて疲れさせる作戦を実行した。調子をわざと落とさせたおかげで、試合では中学記録にも及ばず負けてしまった。康介には申し訳ないことをしたが、正直に言えば、「負けてよかった」と思う。ストレートにオリンピックを目指さなければいけない時期だった。中学記録程度で浮かれている暇はなかった。四年間弱という短期間でオリンピックを狙う選手をつくることが先決で、寄り道している場合ではなかったのだ。このとき中学記録を獲らせていたら、おそらく「心・技・体のバランス」は狂ってしまっただろう。私たちは、もっと遠くを見つめているんだ、という気持ちがあった。』

 

 

ここから学ぶことは、

そんなところではないでしょうか。

 

 

上司と部下の関係のイロハの詰まった一節だったので紹介させていただきました。

私はある3つのことを捨てたときに、部下とのコミュニケーションが大きく変わり、非常に良好になり、汚れ役を演じることも苦にならなくなりました。

それは、

  1. 人に好かれたいという気持ちを捨てる
  2. 他責を捨てる
  3. 勝手な思い込みを捨てる

次回はこの3つについてお伝えしたいと思います。