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コミュニケーションを劇的に変える3つの捨てるもの

先月は、オリンピック水泳平泳ぎで2大会連続2種目金メダル獲得の偉業を成し遂げた北島康介選手とコーチの平井伯昌氏とのエピソードをもとに、『上司は汚れ役を買って出ることが大切だ』というお話をしました。

 

 

そして、今月は、先月お話をしたように、私がある3つのものを捨てたことにより部下とのコミュニケーションが大きく変わり、非常に良好になり、信頼され、汚れ役を演じることも苦にならなくなったというお話をしたいと思います。

 

 

一つ目は、「人に好かれたいという気持ちを捨てる」、言い換えれば「相手を信頼する」ということです。「人に嫌われたくない」「人に好かれたい」といった気持ちは誰もが持っている感情です。しかし、この気持ちを持っているうちは、正しいことであってもネガティブなことを相手に伝える時に躊躇してしまう典型的なマインドです。この気持ちの裏側には何があるかというと、「相手への信頼の欠如」です。本当に相手を信頼しているのであれば、どんなに厳しいことであっても「正しいことであればわかってくれるはずだ」という信頼のもとに伝えられるはずです。

 

 

二つ目は、「他責を捨てる」、要するにすべては自分の責任だと思える「自己責任」というマインドを持つことです。人はついつい自分以外のせいにして自己防衛をする生き物です。自書『だから、部下がついてこない!』にも書いた、私が良く出す例は、「電車の車両故障で会社に遅刻した場合誰の責任か?」。確かに遅刻をした「原因」は故障です。しかし、遅刻をした「責任」は、いつも乗る電車が遅れないと勝手に決め付けて乗車した自分にあるのです。どんなことがあろうが、自分の発言や行動には全責任を持って取り組むということを心がけてください。

 

 

三つ目は「勝手な思い込みを捨てる」ということです。言い換えれば、「相手がどう思うか?」と考える癖を捨てるということです。自分が正しいと思ってやること(言うこと)をどう考えるかは、「相手の問題」であって「あなたの問題」ではありません。ところが、人はやっかいな生き物で、「相手はどう思うだろ?」「相手はどう考えるだろ?」「相手は傷つかないかな?」「相手が……」と、相手に決定権があることを、あたかも自分に決定権があるかのごとく考える癖があります。

 

 

ぜひ、この「3つの悪い思考の癖」を捨てて、部下との最高の関係を築いてください。