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ビジネス体験・日本流とシンガポール流

2013年10月21日

シンガポール人は日本人の最良のパートナー

日本は不確実なもの、奇抜なアイディアや考え方に対しては危険なものと見なし、確実性を重視する文化です。全てのものに対して完全性を求める日本の製品は、品質が高く均一であることは世界でも認められています。総じて、新たに発明された製品が日本から販売される確率は低いようです。

 
日本は集団主義であり、個人で突出するのを嫌います。一方、発明は個人のひらめきが重要な部位を占めます。日本では、社会的な成功も、個人単独で成功するよりも集団で成功することが望まれます。一見単独で成功しているように見えても、実は当人はある集団の長(取りまとめ役)であるという状況が多いものです。

 
集団主義でグループのディスカッションや会議から生まれるのは、新規発明というよりは製品の改良・改善、いわゆる“カイゼン”です。使い勝手の悪いところを調査し、時間をかけてこつこつと修正していく。日本人はそのために勤務時間が長くなることや休日出勤もいとわない「仕事人間」と言えます。

 

 

これに対してシンガポール人は、シンガポール独立(1965年)以前に生まれた世代には日本人同様の集団主義的行動が見受けられますが(これは中国人の家族単位の行動に端を発している)、シンガポール独立以降に生まれた世代は米国様式にかなり近い個人主義が多いようです。シンガポールも核家族化の問題が進行しています。シンガポール人は、不確実な事が起こるのはある程度やむを得ないと考えており、奇抜なアイディアに興味を持っています。また、リスクを取る気持ちも強くあります。ただ、仕事と家族はハッキリ分けて、家庭でも家族との時間には仕事を持ち込まないし、仕事のために有給を取らないという事もありません。各自年間の有給休暇は基本的に完全消化します。毎年12月は、各企業とも残った有給休暇を消化するために休む社員が多くなりがちです。

 
シンガポール人は、ものになりそうな仕事があるとその後の動きは早いものです。細かい事項は無視して、先ず当該プロジェクトの当事者になってしまいます。走りながら考える式で企業化調査を実施し、予想通りの数字が出ればそのまま突っ走るし、予想と反した数字が出れば即中止とします。

 
日本とシンガポールの企業が共同事業を開始するに際して気を付けなければならないのは、手順の違いで話が壊れてしまう場合があることです。日本の企業は、第1回目は顔合わせと考えて、実質的な話は予定しません。しかし、シンガポール企業は、最初の数分で顔合わせは終わり、すぐに本題に入って結論に至ろうとします。そこで話が壊れてしまう場合があるのです。

 

 

今、日本の企業がアセアン諸国に大挙押し寄せていますが、現地進出パートナーとして一番補完関係にあるのは、シンガポール企業であると考えます。まずシンガポールの企業が新規案件に対して営業的に動いてプロジェクトを確保し、その後じっくりと日本の企業が完璧なプロジェクトを企画・設計し、完成させる。このシンガポールと日本の組み合わせは、誰もかなわない、最良・最強のパートナーではないでしょうか。

 

 

今月のスナップショット

ミャンマーで長年ゴム園を管理してきたお婆さんです。なかなか貫禄があります。その辺の若者にはまだまだ負けません。 (写真:丸茂 修)

文=ケルビンチア・パートナーシップ法律事務所・丸茂 修

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.244(2013年10月21日発行)」に掲載されたものです。

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