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シンガポール経済分析

2004年12月6日

シンガポールの産業構成比の長期的変化

11月17日に発表されたシンガポールの7〜9月期実質GDP成長率は前年同期比7.5%成長と高成長を持続したが、4〜6月期の12.5%から伸びは低下し景気のピーク・アウトが確認された。ところで、産業別の成長率を見ると、ほとんどの産業は前年比プラス成長が続いているが建設業だけ10.9%のマイナス成長で、かつマイナス幅が拡大している。建設業は2004年1〜3月期には1%とわずかにプラス成長に転じた後、4〜6月期にはマイナス5.9%となり不振が継続。建設業の先行指標となる7〜9月期の新規受注額は前年比22.9%と落ち込んでおり今後も市場は縮小するだろう。建設市場規模は1998年の128.4億Sドルから2003年には78.3億Sドルへと約40%も縮小している。

 
さて、輸出額がGDP総額より大きいシンガポールの産業別の構成比はどうなっているのだろうか。下表の通り2003年時点で「製造業+建設業」の「モノ作り産業」の構成比が約3割、残りが「サービス関連産業」である。製造業の名目GDPに占める比率は2001年にはIT製品需要減退を受けて23.7%へと若干落ち込んだものの、2003年現在26.1%に回復してGDPの4分の1程度で推移中。シンガポールは周辺諸国比人件費が高いのでシンガポール政府は製造業についてR&D機能を強化し、低コストのインドネシアのリアウ州(バタム島・ビンタン島)で労働集約型の組み立てを分担する長期構想を描いている。製造業のGDP構成比は今後徐々に低下し長期的に20%程度になる見込みだ。

 

 

表 シンガポールの名目GDP構成比(産業別/単位:%)

199319982000200120022003
製造業25.223.426.423.726.026.1
建設業7.19.46.26.15.44.9
卸小売業13.411.812.512.412.313.0
ホテル・レストラン業2.92.42.22.42.21.9
運輸・通信業12.211.311.411.311.511.0
金融サービス業12.313.111.112.412.011.5
ビジネス・サービス業11.714.013.514.413.713.2
その他13.013.115.416.015.617.0
GDP合計100.0100.0100.0100.0100.0100.0

(出所) Yearbook of Statistics Singapore 2004

グラフ シンガポールの名目GDP推移(産業別/億シンガポールドル)

(出所) Yearbook of Statistics Singapore 2004よりUFJ銀行作成

協力=UFJ銀行シンガポール支店
文=経済調査班 北村広明

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.023(2004年12月06日発行)」に掲載されたものです。

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