シンガポールのビジネス情報サイト AsiaXビジネスTOP第1回:事業形態の選択

シンガポール事業手引書

2012年7月16日

第1回:事業形態の選択

シンガポールで事業を行う場合、どの事業体を選択するかにより、必要なコストのみならず法律上、税務上の取扱いが異なるため、適切な事業体を選択することが重要になります。

 
個人事業なのか法人事業なのか、現地法人なのか支店なのか、所有と経営は一致させるのか分離させるのかなど、状況や目的に応じて適切な事業体は異なります。今回は、一個人が自らの資金で自ら事業経営を行う場合の事業体の選択について、一つの判断方法をご紹介します。

 
自らの資金で自ら事業経営を行う場合、一般的には単一事業主事業(Sole Proprietorship)もしくは法人(Company)により事業を行うことが考えられます。前者の場合は一個人として事業活動を行うため、基本的には稼いだ利益がそのまま事業主の所得になるのに対し、後者の場合には事業を行うのは法人であるため、法人からの給与や配当等によって利益が事業主に還元されることになります。

 
両者は法人格の有無や出資者の責任の範囲等、法律面でもその性格は大きく異なりますが、前者が設立・維持にかかる手続が簡便でコストが低く、稼いだ利益は個人の所得として所得税の課税対象になるのに対し、後者は設立・維持にかかる事務手続が煩雑でコストが高く、稼いだ利益は法人の所得として法人税の課税対象となるという点は重要な相違点です。

 
また、前者に適用される個人の所得税率は累進課税(所得が高くなるにつれて税率が高くなるもの)により0%〜20%の税率で課税されるのに対し、後者の法人税率は基本的に一律17%となっていますので、一般的には利益が小さい場合は前者が、利益が大きい場合は後者が税務上有利になります。

 
ただし、多くのオーナー企業の場合、大幅な部分免税(所得のうち、はじめの10万Sドルは100%免税、次の20万Sドルは課税所得が50%となるもの)を受けることができますので、税金のみを考慮するのであれば法人による事業が有利(仮に課税所得が10万ドルであれば5,000Sドル以上の税金の差)である場合が多いことになります。

tmf提供=TMFグループ

TMFグループは世界に100以上の拠点を持つ会計・人事・法務事務代行のプロフェッショナルグループです。

シンガポール担当 萱場 玄(かやば げん)公認会計士/税理士

電話 +65-6808-1637 e-mail gen.kayaba@tmf-group.com

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.216(2012年07月16日発行)」に掲載されたものです。

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