シンガポールのビジネス情報サイト AsiaXビジネスTOP第3回:就業許可証の申請・交付

シンガポール事業手引書

2012年9月17日

第3回:就業許可証の申請・交付

前回までは法人設立までの留意点等をご紹介しましたが、法人設立が認可されたとしても当該新設法人で就業することができるかは別問題です。つまり「法人を設立してもその法人で働く許可が下りない」事態に陥ることがありますので、シンガポールで事業を行うためには就業許可証について一定の理解が必要です。

 

 

日本人を現地で雇用する場合に取得する就業許可証として一般的なのがEP (Employment Pass)とSパスでしょう。EPは、四年制大学卒業者や専門家等を対象にした許可証であり、概ね月額固定給の高い順に権利義務の異なるP1、P2、Q1のカテゴリーに分かれています。一方でSパスはEPの条件を充たさない「中級就労者」を対象にしていますのでEPよりは下位の許可証といえます。EPとSパスは一つの申請用紙で同時に申請可能ですので、実質的に「EPでもSパスでも良いと申請」することが可能です。ただし、Sパスによる就業許可の場合、雇用する会社側で医療保険の加入や一定数のシンガポール国民等の雇用が義務付けられるため注意が必要です。

 

 

EP、Sパスが申請可能な月額最低固定給はP1で8,000Sドル、P2で4,500Sドル、Q1で3,000Sドル、Sパスで2,000Sドルとなっていますが、年齢に比して低い給与水準であったり、シンガポール国民等の就労で代替可能な職種である場合などは認可されないこともあり、さらには申請時の経済状況や移民受け入れの方向性などによっても影響を受けるため、就業許可が下りるかどうかはケースバイケースであるのが現状です。

 

 

その他シンガポールで就業可能なステータスとしては、PR(永住権)、近隣新興国からの低所得層を対象にしたWork Permit、特定の雇用主に帰属しない更新不可のPEP(Personalized Employment Pass)、一定規模以上の起業家を対象にしたEntrePass、EP保持者等の配偶者等に許可されるDP(Dependant’s Pass)などがあります。

 

 

なお、就業許可証の申請条件や保持者に付与される権限等、頻繁に改正がありますので常に最新情報のアップデートが必要です。

tmf提供=TMFグループ

TMFグループは世界に100以上の拠点を持つ会計・人事・法務事務代行のプロフェッショナルグループです。

シンガポール担当 萱場 玄(かやば げん)公認会計士/税理士

電話 +65-6808-1637 e-mail gen.kayaba@tmf-group.com

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.220(2012年09月17日発行)」に掲載されたものです。

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