シンガポールのビジネス情報サイト AsiaXビジネスTOP第4回:法人税申告の実務

シンガポール事業手引書

2012年10月15日

第4回:法人税申告の実務

前回までは事業開始までの各種留意事項についてご紹介しましたが、今回からは事業開始後の実務、今回は法人税申告実務をご紹介します。

 

 

日本の場合、特定の場合を除いて事業年度末から2ヵ月以内に法人税の確定申告および納税が求められますが、シンガポールの申告納付スケジュールは日本のそれとは大きく異なります。

 

 

シンガポールでは、事業年度末から3ヵ月以内に税務当局であるIRASへ見積法人税(ECI: Estimated Chargeable Income)の申告を行い、それに基づきIRASから発行される納税通知書により、その発行日から1ヵ月以内に見積納税を行い、その後に改めて確定申告をし納税差額の納付をするというスケジュールになります。

 

 

確定申告の期限は見積申告期限と異なり非常に遅く、事業年度末日の属する暦年の翌年11月30日となります(この記事が掲載されるのは10月ですので、来月末は2011年中に決算日を迎えた事業年度の確定申告期限となります)。例えば1月決算の場合は翌年11月が申告期限となるため、事業年度末から申告期限まで1年10ヵ月の余裕があることになりますが、12月決算の場合は申告期限は翌年11月末ですので11ヵ月しか余裕がないことになります。

 

 

確定申告には法人税の申告書であるForm Cの他に、監査済決算書一式や法人税計算書等の添付が必要です。実務上は、経理、決算書の作成を弊社のような決算代行を行う会計事務所もしくは自社で行い、前述の見積申告をしたうえでシンガポール公認会計士による監査を受けます(監査免除の場合は不要)。こうして完成した監査済決算書を株主総会で承認し、その後の法人税確定申告の際に添付することになります。

 

 

なお、17%という低い法人税率のみならず、連載第1回「事業形態の選択」でご紹介した部分免税制度や各種インセンティブ等、軽課税国として魅力的なシンガポールですが、過少申告や脱税の場合の罰則は非常に厳しく、場合によっては過少納税額の4倍のペナルティや取締役に禁固刑が課される場合もあるため注意が必要です。

tmf提供=TMFグループ

TMFグループは世界に100以上の拠点を持つ会計・人事・法務事務代行のプロフェッショナルグループです。

シンガポール担当 萱場 玄(かやば げん)公認会計士/税理士

電話 +65-6808-1637 e-mail gen.kayaba@tmf-group.com

 

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.222(2012年10月15日発行)」に掲載されたものです。

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