2012年5月7日
“現代の匠が「削る」「磨く」「貫く」1/10,000mmのオーダーメイド 精密加工部品のユニテック”
ユニテック・ハイ・プレシジョン


ユニテックの品質保証
仕上がったカスタムメイドの製品には、ひとつひとつサブミクロンレベルの超精密測定のデータを添付して出荷。最先端の測定技術を採用し、品質を保証。
精密加工部品メーカー「ユニテック」、シンガポールから世界へ
Unitech High Precision Pte Ltd 社長加藤尚弘氏
「ミクロの寸法を必要とする精密部品なら何でもご相談ください。ユニテックの加工技術を駆使してお客様のご要望に合わせた製品をオーダーメイドにて承ります」 と、シンガポールの現地法人ユニテック・ハイ・プレシジョン代表の加藤氏はいう。
設計、製造、納品の過程で、顧客とのやりとりを繰り返しながら製品を仕上げ、また納品に際しては、精密な測定結果をそれぞれに添付して出荷する。顧客と向かい合って満足のいくものを作るまで努力を惜しまず、徹底的に品質にこだわり、妥協を許さないのがユニテック社の特徴だ。
日本の製造業のグローバル化が進む中、多くのメーカーがアジア地域に工場を設立し、より高度な製品の生産を移管、またその流れで、開発機能の移転も加速している。一方で、アジア諸国の企業の技術力も急速に向上し、域内におけるより高精度な部品の需要が高まってきている。実際、ユニテック社へも海外からの問い合わせや供給を求められるケースが増えた。その現状をふまえ、2012年2月に同社初の海外拠点となる現地法人を立ち上げた。シンガポールに拠点を持つことで、「ASEAN諸国で日本と同等のサービス、品質を供給でき、また直接ご用命頂ける利便性」を加藤氏は強調する。高品質を維持するためにもユニテック社の生産拠点は引き続き日本に置き、シンガポールの窓口でオーダーメイドによる1個から量産までの注文を受ける。
日本国内の86名の社員のうち、60名が前線の製造技術者というユニテック社は、1984年の創業以来「製造技術の開発、実現に特化した会社」。初の海外拠点の責任者として当地でのマーケティングに情熱を傾ける理由を加藤氏に聞くと、「ユニテックにしかない技術がある。世界に誇る日本の製造業、そこにしかない技術を、日本人として世界にもっと広げていきたい。そうすることが、日本の製造業を守るとともに、製造業全体の発展に微力であっても寄与できると考えています」と語った。
これまでは、光ファイバー通信が世界で拡大したことに伴って大きく成長してきたというユニテック社。今後は、次世代に向けた新たな分野として、医療や航空機産業への供給も視野に入れている。業界に関わらず顧客のニーズに応えて行けるのが同社の強みでもある。地域の情報が集まりやすい環境というのもシンガポールを拠点に選んだ利点だと語る加藤氏。じっくりとシンガポールから世界を見据え、グローバルに飛躍する日本企業として輝いていくことを期待したい。
Unitech High Precision Pte Ltd
80 Robinson Road #10-01A, Singapore 068898
TEL:6420-6372(担当:加藤/日本語でお問い合わせください)
E-mail:t-kato@unitech-net.co.jp
この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.211(2012年05月07日発行)」に掲載されたものです。
取材=桑島千春