シンガポールのビジネス情報サイト AsiaXニュースTOP妊娠・産休理由に「退職を強いられた」 女性に1万9,800Sドル...

社会

2026年9月24日

妊娠・産休理由に「退職を強いられた」 女性に1万9,800Sドル補償

 シンガポールのEmployment Claims Tribunal(ECT、雇用請求審判所)は、妊娠と産休を理由に事実上退職を強いられた女性について「不当解雇」に当たると認定し、勤務先に1万9,800Sドルの補償を命じた。
 
 女性は2021年4月から企業でエグゼクティブとして勤務し、月給は3,300Sドルだった。2023年4月、新たに着任した上司に妊娠していることを伝えた。同年7月の人事評価では勤務態度や実績について良好な評価を受けていた。
 
 しかし妊娠36週だった9月、妊娠に伴う合併症と高血圧のため入院休暇に入った後も、上司から電話や面談を求められた。出産直前の10月4日に行われた電話では、上司から新しいチームの構想に合わないなどと伝えられ、産休終了後に雇用を終了する意向を示された。
 
 女性は10月11日に出産し、翌年1月25日まで産休を取得する予定だったが、12月21日に1ヵ月前の通知を出して退職。その後、自らの意思による退職ではなく、会社の対応によって退職を余儀なくされたとして申し立てた。
 
 会社側は、女性が以前サバティカル休暇を検討していたため、上司は産休後の予定を確認しただけだと主張した。しかしECTは、正式なサバティカル申請は提出されておらず、出産直前に結論を求める緊急性もなかったとして、この説明を退けた。
 
 審判所は、実際の理由は女性が入院休暇と産休で職場を離れることにあり、妊娠・産休を理由とする差別的な不当解雇だったと判断。収入損失として月給3ヵ月分の9,900Sドル、精神的・その他の損害についてさらに9,900Sドルを認め、合計1万9,800Sドルの支払いを命じた。
 
 審判官は、出産直前という非常に不安定な時期に雇用終了の意向を伝えた会社側の対応を「degrading and deeply insensitive(尊厳を傷つける、極めて配慮を欠いたもの)」と厳しく指摘した。

おすすめ・関連記事

シンガポールのビジネス情報サイト AsiaXニュースTOP妊娠・産休理由に「退職を強いられた」 女性に1万9,800Sドル...