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経済

2026年9月21日

ASEAN、改定物品貿易協定を前倒し適用へ 域内貿易の円滑化加速

 ASEANは、域内の物品貿易を円滑化する「ASEAN Trade in Goods Agreement(ATIGA)」の改定版について、正式発効を待たず、準備が整った加盟国間で2026年中から先行適用できる仕組みを導入する。
 
 9月19日にフィリピン・マニラで開かれた第58回ASEAN経済相会議などで合意した。シンガポールのガン・キムヨン副首相兼貿易産業相は、改定協定の早期導入により国境を越えた商品の移動を円滑化し、企業によるASEAN市場へのアクセスを改善できるとの考えを示した。
 
 改定ATIGAは2025年10月に署名され、正式には2027年6月1日の発効を予定している。今回ASEAN10ヵ国は、正式発効に先立ち、準備が整った加盟国が自主的かつ相互的に改定協定を先行適用できることを確認した。
 
 ATIGAはASEAN域内の物品貿易に関する基本的な協定である。ASEANではすでに対象品目の約98.9%で関税が撤廃されており、今回の改定では関税だけでなく、非関税障壁の削減、通関手続き、サプライチェーンなどのルールを更新し、域内貿易をさらに円滑化することを目指す。
 
 ASEAN経済相会議では、認定事業者制度の相互承認拡大やASEAN Customs Transit System(ACTS)の強化など、通関・物流を効率化する施策についても協議した。ASEANを一つの市場・生産拠点として機能させ、世界的な貿易摩擦やサプライチェーン再編に対する競争力と強靱性を高める狙いがある。
 
 また、ASEAN各国はサービス貿易を対象とするASEAN Trade in Services Agreement(ATISA)の見直しに向けた準備も進める。
 
 デジタル分野では、ASEAN Digital Economy Framework Agreement(DEFA)の交渉が2026年5月に終了している。DEFAは電子商取引、デジタル決済、国境を越えたデータ流通、サイバーセキュリティなどを対象とし、ASEAN全体でデジタル経済の共通ルールを整えることを目指す。
 
 世界的に保護主義や貿易摩擦が強まる中、ASEANは域内経済の一体化をさらに加速する姿勢を鮮明にしている。シンガポールやマレーシアを含む複数のASEAN諸国で製造・販売・物流を展開する日系企業にとっても、通関手続きの簡素化やサプライチェーンの効率化につながる可能性があり、今後の具体的な先行適用国や実施内容が注目される。

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