2026年9月15日
RTS開通でJBへの通院増加見込み シンガポール政府、海外MediSave制度を見直し
シンガポール保健省(MOH)は、ジョホールバル(JB)とシンガポールを結ぶ高速輸送システム「RTS Link」の開通により、マレーシアで医療を受ける住民が増えると予想されることから、海外でMediSaveを利用できる制度の見直しを進めている。
オン・イェクン保健相が国会への書面回答で明らかにした。海外MediSave制度では、一定の条件を満たした海外の病院で、選択的な入院治療や日帰り手術などの費用にMediSaveを使用できる。
現在マレーシアでは、マラッカのMahkota Medical CentreとJBのRegency Specialist Hospitalの2病院が、シンガポールのHMI Medical Centreとの提携を通じて制度に参加している。患者はシンガポール側の提携医療機関から紹介を受け、入院前の診察や費用説明を受ける必要があり、MediSaveの引き出し上限も国内治療と同じ基準が適用される。
制度の利用はこれまで限定的で、2023~25年は年間平均約300件。主に産科・婦人科治療で利用されている。一方、JBのRegency Specialist Hospitalでは、コロナ禍以降、MediSaveを利用するシンガポール人患者が約2倍に増えたという。
RTS LinkはシンガポールのWoodlands NorthとJBのBukit Chagarを結び、両駅間の乗車時間は約5分。1時間当たり片方向最大1万人の輸送能力を持つ。
MOHは、交通利便性の向上によりJBで診療や医薬品購入を選ぶ住民が増える可能性があるとみている。ただし海外の医療機関はシンガポールMOHの規制対象外であり、治療を受ける際には十分な確認を行い、海外での診療記録をシンガポールの医療機関と共有するよう呼び掛けている。
制度見直しの具体的な内容はまだ示されておらず、RTS開通による越境医療の拡大にどのように対応するかが注目される。

