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社会

2026年8月5日

出生数と死亡数の差が過去最少 シンガポールの人口構造に課題

 シンガポールで2025年の出生数と死亡数の差(自然増)が3,365人となり、統計が確認できる1930年代以降で最も小さくなったことが分かった。出生数の減少と高齢化による死亡数の増加が重なり、人口維持における自然増の役割が一段と低下している。専門家は、少子高齢化への対応が今後の重要課題になると指摘している。
 
 入国管理局(ICA)の「2025年出生・死亡登録報告書」によると、2025年の出生数は2万9,864人と独立後初めて3万人を下回り、過去最低を更新した。一方、死亡数は2万6,499人となり、出生数との差はわずか3,365人となった。10年前の2015年は出生数が死亡数を2万2,323人上回っており、この差は大幅に縮小している。
 
 民族別では、中国系住民で死亡数が出生数を上回る状況が続いている。2025年は中国系の出生数が前年比で約15%減少し、出生数を死亡数が3,071人上回った。政府は辰(たつ)年の反動減も一因としているが、晩婚化や晩産化、出生率の低下が長期的な傾向となっている。
 
 自然増の縮小により、人口増加は移民の受け入れに依存する割合が高まっている。政府は年間2万5,000~3万人の新規市民権付与を維持する方針を示す一方、育児支援や住宅政策の充実などを通じて、国民が結婚・出産しやすい環境づくりを進めている。
 
 専門家は、人口減少は労働力不足や社会保障負担の増加、経済成長の鈍化など幅広い分野へ影響を及ぼす可能性があると指摘する。シンガポールではこれまで移民政策と家族支援策を組み合わせて人口構造の維持を図ってきたが、出生数の減少が続く中、長期的な人口戦略の重要性は一層高まっている。

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