2026年7月8日
シンガポール成人1人当たり平均資産約68万Sドル 世界6位に
スイスの金融大手UBSが公表した「グローバル・ウェルス・レポート2026」によると、2025年時点におけるシンガポールの成人1人当たり平均純資産は52万7,217USドル(約68万1,500Sドル)となり、世界第6位にランクインした。前年の7位から順位を一つ上げ、高い資産水準を維持していることが明らかとなった。
平均資産額が高い背景には、住宅価格の上昇や金融資産の拡大に加え、安定した経済成長や高所得者層の厚さがあると分析されている。一方で、UBSは「平均値」は一部の超富裕層の資産によって押し上げられる傾向があるため、国民全体の実態を示す指標としては中央値にも注目する必要があると指摘している。
実際、シンガポールの成人1人当たり資産の中央値は約15万2,000USドルとなり、世界でも上位に位置するものの、平均値との差は大きい。これは資産が比較的富裕層へ集中していることを示しており、所得や資産格差の存在も浮き彫りとなっている。近年は不動産価格や株式市場の上昇により資産を増やした世帯が多い一方、住宅取得費や生活費の高騰により若年層を中心に資産形成が難しくなっているとの指摘もある。
世界全体では2025年の個人資産は前年比約11%増加し、世界のミリオネア(100万USドル以上の純資産保有者)は約100万人増加した。シンガポールでも富裕層の増加が続いており、金融センターとしての地位や安定した投資環境が国内外の資産家を引き付ける要因となっている。一方で、資産価格の上昇による恩恵がすべての層に均等に及んでいるわけではなく、今後は経済成長とともに資産格差への対応も重要な政策課題となりそうである。

