2026年5月14日
インド企業Nybula、シンガポールでの「CECA差別」に懸念 インド人への偏見拡大を批判
インド系テクノロジー企業 Nybula が、シンガポール社会におけるインド人への偏見や差別的言動に懸念を示し、「CECAという言葉が侮辱表現のように使われている」と批判した。
CECAとは、シンガポールとインドの包括的経済協力協定「Comprehensive Economic Cooperation Agreement」の略称で、2005年に締結された自由貿易協定である。人材交流や投資促進などを目的としているが、近年シンガポール国内では、外国人労働者問題や雇用競争への不満と結び付けられ、特にインド系専門職を揶揄する文脈で「CECA」という言葉が使われるケースが増えている。
NybulaはSNS投稿の中で、「CECAが単なる経済協定ではなく、インド人を攻撃するためのスラングのように扱われている」と指摘。「高度人材として合法的に働いているインド人に対し、不当な偏見が向けられている」と訴えた。さらに、「シンガポールは多民族国家として知られているが、最近はオンライン上で人種差別的コメントが増加している」と懸念を示した。
シンガポールでは近年、外国人専門職の増加や生活コスト上昇を背景に、雇用を巡る不満が高まっている。特にIT業界や金融業界ではインド系人材の存在感が大きく、一部SNSでは「CECA人材」という表現が否定的に使われることもある。政府はこれまで、「シンガポール人優先」と「外国人材活用」の両立を掲げ、人種差別的言動には厳格に対応する姿勢を示している。
今回のNybulaの発言に対し、SNS上では「差別は許されない」という声がある一方、「雇用問題への不満と差別問題は分けて議論すべき」との意見も出ている。外国人労働者政策と多民族共生のあり方を巡り、改めて議論が広がっている。

