2026年5月11日
シンガポール、野菜・水産物生産量が増加 食料安全保障強化進む
シンガポールで2025年、野菜および水産物の国内生産量が増加し、政府が進める食料安全保障強化策の成果が現れ始めている。グレース・フー持続可能性・環境相は、国内農業の生産性向上が進んでいると明らかにした。
シンガポール食品庁(SFA)によると、2025年の野菜生産量は前年比で増加し、水産物生産も回復傾向を示した。特に高密度栽培や陸上養殖など先進農業技術の導入が、生産効率向上を後押ししている。
政府は「30 by 30」戦略を掲げ、2030年までに国内栄養需要の30%を国産で賄う目標を推進している。土地や水資源が限られる中、垂直農法、自動化、AI活用などを通じて、生産性向上と持続可能性の両立を目指している。
グレース・フー氏は、地政学リスクや気候変動による供給不安が高まる中、「輸入依存だけでは十分ではない」と強調した。シンガポールは食料の9割以上を輸入に依存しており、国内生産強化は国家戦略上の重要課題となっている。
一方で、業界ではエネルギーコストや運営コストの高さ、人材不足など課題も残る。政府は補助金や研究開発支援を通じて、農業事業者の技術導入や事業継続を後押しする方針である。
近年は、都市型農業や陸上養殖への投資も拡大しており、シンガポールは限られた国土の中で食料供給能力を高める「スマート農業国家」としてのモデル構築を進めている。

