2026年4月6日
AIは一部ではなく多くに恩恵を、政府が雇用不安に対応へ
シンガポール政府はAI(人工知能)の導入を国家戦略として加速させる中、雇用や賃金への影響に対する懸念への対応を強化している。ジョセフィン・テオ デジタル開発・情報大臣は「AIの恩恵は一部ではなく多くに行き渡るべきである」と強調し、幅広い企業と労働者が利益を享受できる体制構築を進める方針を示した。
2026年度予算ではAIが国家インフラとして位置付けられ、首相主導のAI評議会が設置される。政府・産業界・研究機関が連携し、経済全体でAI活用を推進する体制を整える。特に「DLAB」などのプログラムを通じ、今後3年で2,000社のリーダー育成を目指し、企業のAI活用力向上を図る。
一方で、若年層を中心にAIが雇用機会や賃金に与える影響への不安も指摘されている。同相は、景気低迷期に就職した場合にスキル形成が遅れる「長期的影響」のリスクを認めた上で、政府としてそのような状況を回避する意向を示した。
過去のコロナ禍では雇用支援策により労働市場を下支えした実績があり、必要に応じて同様の対応を検討する姿勢である。また、今後は雇用率や賃金の伸びを継続的に監視し、AI導入が国民全体の雇用環境に悪影響を及ぼさないか注視していくとしている。


