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社会

2026年2月4日

2025年、IRASの自動申告制度で1万2,000超の企業が期限内申告を怠る

 2025年度の税務申告で、1万2,000社以上の雇用主が、シンガポール内国歳入庁(IRAS)の自動所得申告(Auto-Inclusion Scheme:AIS)制度にもかかわらず、期限内に税務申告を行わなかったことが当局の発表で分かった。これはAIS参加企業全体の一部ではあるものの、申告期限を守らない企業が依然として多数存在する実態を浮かび上がらせた。
 
 AISは、企業が従業員の所得情報をIRASに自動的に提出する仕組みで、税務負担の軽減と申告精度の向上を目的として導入されている。雇用主は、毎年の税務申告期間内に正確なデータを提出する義務があるが、IRASの集計によると、2025年の申告期限でも多くの企業が提出を完了できなかったという。
 
 期限を守れなかった企業の多くは、中小企業や資源が限られる事業者で、申告準備やシステム対応の遅れ、内部処理上の手続きミスが原因として挙げられている。IRASは、申告の遅延が発覚した場合には自動的に遅延罰則や利息が適用される可能性があると警告している。
 
 税務専門家は、AISの仕組み自体は税務申告の簡素化に寄与すると評価する一方、企業側が制度の詳細や提出要件を十分に理解していないケースが依然として多いと指摘する。特に複雑な給与体系や賞与処理を持つ企業では、正確な年次データの準備に手間取る例が見受けられるという。
 
 IRASは、期限内申告の徹底と申告手続きの支援を進めるため、今後さらに通知リマインダーの強化や申告サポートの拡充を図る方針だ。オンラインヘルプやガイドラインの提供、相談窓口の拡充などを通じて、企業が期日までに正確な申告を行えるよう支援する。また、提出漏れが続く企業には個別の連絡や教育的指導も行うとしている。
 
 雇用主側にとっては、期限内申告を逃すことが追加のコストや罰則リスクを招くだけでなく、従業員の税務処理や所得報告にも影響する可能性があるため、制度への理解と準備が不可欠だ。IRASは今後も制度改革と企業支援を両輪で進め、税務コンプライアンス向上を目指すとしている。

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