2026年1月15日
救急搬送の所要時間を平均約2分短縮
シンガポール民防軍(SCDF)が導入している交通信号の優先制御システムにより、救急車が病院へ向かう1回の緊急搬送あたり、平均で約2分の時間短縮が実現していることが分かった。救命率向上を目的とした取り組みで、実運用での効果が確認された形である。
このシステムは、救急車が交差点に接近すると信号制御装置と連動し、進行方向の青信号を延長、もしくは赤信号を短縮する仕組みである。これにより、交差点での停止時間が減少し、混雑する市街地でもスムーズな通行が可能となる。SCDFによると、特にピーク時間帯や幹線道路での効果が大きいという。
医療分野では「ゴールデンアワー」と呼ばれる初動対応の時間が患者の予後を左右することが知られており、数分の短縮でも救命や重症化防止に大きな意味を持つ。今回の結果は、テクノロジーを活用した都市インフラと救急医療の連携が、実際の成果につながっていることを示している。
当局は、これまでに複数の主要道路や病院周辺でシステムを展開してきた。今後は、対象エリアの拡大や制御精度の向上、他の緊急車両との連携強化も検討する方針である。一方で、一般車両の安全確保や交通全体への影響を最小限に抑えるため、運用ルールの継続的な見直しも行うとしている。
SCDFは、市民に対し、緊急車両の接近時には速やかに進路を譲るなど、日常的な協力がシステムの効果を最大化すると呼びかけている。今回の取り組みは、スマートシティ化が進むシンガポールにおける救急対応の高度化を象徴する事例となっている。


