シンガポール、人材競争力で世界首位

　シンガポールが2025年版「世界人材競争力指数（GTCI）」で初めて世界首位となった。同ランキングは、世界約130以上の国・地域を対象に「人材を育成する力」「人材を引き寄せる力」「人材を定着させる力」など複数の指標から総合評価する国際的な指数である。
 
　今回の首位獲得の要因として特に高く評価されたのは、デジタル対応力や問題解決力などを含む「汎用適応スキル」の高さである。テクノロジーの進展や産業構造の変化に柔軟に対応できる人材が多い点が、国際競争力の源泉となっている。
 
　また、「人材の定着度」でも大きく順位を上げ、単に人材を集めるだけでなく、長期的に活躍できる環境づくりが進んでいることが示された。教育制度の継続的改革や、企業と連携した人材育成プログラムも高評価につながったとみられる。
 
　AI活用や従業員のウェルビーイングなども評価項目に加えられた今回の結果は、シンガポールが時代の変化に即応する人材政策を展開していることを裏付ける内容といえる。