2025年11月27日
リンギ強も影響限定、シンガポール人の越境消費は継続
マレーシア・リンギットが上昇し、1Sドル=約RM3.18と強含む状態が続いているが、シンガポール人のマレーシアへの買い物需要は大きく減退していないことが報じられた。リンギ高にもかかわらず、依然として飲食、日用品、サービスにおける「割安感」が維持されているためである。
現地を訪れるシンガポール人によれば、ヌードル1皿はRM10で約3.1Sドル(約372円)となり、同等メニューの価格と比較すると十分に価値があるとされる。また、車洗いサービスもRM18で約5.7Sドル(約684円)と依然割安である。シンガポール国内では10〜35Sドルかかるケースもあり、越境消費の魅力は保たれている。
一方、リンギ高の影響でマレーシア人がシンガポール側へ買い物に向かう動きも増えている。RM保有者にとって、家電、輸入菓子、健康食品など、一部品目はシンガポールでの購入が割安となるケースがあるという。クアラルンプール在住の消費者は、シンガポールの輸入品価格が「RM換算でむしろ安い場合もある」と述べており、両国間の消費動向が双方向化している状況が示された。
小売業者側では、特にジョホール州の店舗が、引き続きシンガポール人客を主要ターゲットとしつつ、マレーシア人の対シンガポール越境消費増加を踏まえた価格戦略の再調整が求められると指摘されている。為替動向によって購買層が変動するため、柔軟なプロモーション設定が必要になるためである。
今後の焦点はリンギット高がどこまで持続するかであるが、現時点ではシンガポール人の越境需要に明確な減速は見られず、両国間の消費往来は今後も活発に続くとみられる。


