シンガポールのビジネス情報サイト AsiaXニュースTOPシンガポールドルが120円台に上昇、円買い需要が急増

金融

2025年11月21日

シンガポールドルが120円台に上昇、円買い需要が急増

 シンガポールドル(Sドル)が対日本円で1Sドル=120円を超える水準に達し、円を買い求める市民が急増している。11月19日夜以降、この水準を維持しているとブルームバーグのデータは示している。過去数週間にわたりSドルは緩やかに上昇しており、両替所や多通貨ウォレットで円需要が急激に高まっている。
 
 アーケード内の両替所「クラウン・エクスチェンジ」を運営するタミム氏は、11月20日に訪れた客の4割が円を求めたと述べ、「需要は非常に強い」と話した。1人あたりの両替額はSドル2,000〜3,000(約24万〜36万円)に達するという。
 
 多通貨eウォレット「YouTrip」でも同様の動きがみられ、11月19日の円購入者数は10日前の6倍に急増した。シンガポール人は年末の旅行や2026年の桜シーズンに備え、有利な為替レートを積極的に活用していると同社COOのラム氏は説明した。
 
 東京・京都・大阪への訪日経験を持つ蔡氏は、2026年4月の東京訪問に向け、円を事前に多めに確保すると語った。「現金が必要な店は依然多く、良い抹茶や美容アイテムを買うには現金とeウォレットの両方が欠かせない」と述べた。
 
 また、最近の中国との外交摩擦により、日本への旅行を控える中国人が増えている点にも言及し、「混雑が減り、有名店にも行きやすくなる好機でもある」と話した。
 
 Sドル高と政治情勢の影響が重なり、シンガポールでの円買いは今後も続く見通しである。

おすすめ・関連記事

シンガポールのビジネス情報サイト AsiaXニュースTOPシンガポールドルが120円台に上昇、円買い需要が急増