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経済

2025年11月11日

「10分のタクシーで18Sドル」中国人旅行者、物価の高さに驚きつつもシンガポール人気は健在

 シンガポールが「夢の旅行先」として中国人旅行者の間で注目を集めている一方で、その高額な物価に驚く声も相次いでいる。11月9日付の香港紙サウスチャイナ・モーニング・ポスト(SCMP)は、中国人観光客の体験談を紹介し、「高いが訪れる価値がある」との声を伝えた。
 
 中国東北部ハルビン出身の32歳女性は、3日間の滞在で旅費5,000元(約914Sドル)を使い果たしたと語る。最も驚いたのは「10分間のタクシーが100元(約18.3Sドル)以上」で、中国では同距離が20元(約3.6Sドル)程度だという。「高いとは知っていたが、実際に体験すると衝撃だった」と述べた。
 
 また、飲食店での9%の物品・サービス税(GST)と10%のサービス料が会計時に加算される慣習にも戸惑いが広がっている。中国では付加価値税が表示価格に含まれ、別途サービス料を取る店はほとんどないため、文化的ギャップとして話題になっている。
 
 宿泊費も高く、3つ星ホテルで1泊1,200元(約219Sドル)を超える例がある。ほかにも、水1本15元(約2.7Sドル)、サンドイッチ50元(約9.1Sドル)、リバーサイドの海鮮レストランでは2人で3,000元(約548Sドル)超という声もある。中には「高すぎて朝食しか食べず、3日で3kg痩せた」とSNSに投稿した旅行者もいた。
 
 それでも、2025年2月に発効したシンガポール・中国の相互査証免除協定により、中国からの旅行者数は急増。2024年には約300万人が訪れ、前年比126%増となった。 
 2025年も9ヵ月で約250万人が来訪している。
 
 若い世代を中心に、SNS映えするスポットを巡る「打卡(ダーカー)」観光も人気。清潔で安全、近代的な街並みが「短期旅行に最適」と評価されている。シンガポール観光局によると、中国人旅行者の一人当たり消費額は2024年に1,490Sドルだったが、2025年前半には1,520Sドルへ微増した。
 
 安全性の高さと写真映えする都市環境は、コストを超えて魅力的であり、シンガポールが中国人旅行者にとって依然として特別な目的地であることを示している。

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