シンガポールのビジネス情報サイト AsiaXニュースTOPシンガポール、盗難クレジットカード流出率で世界2位

社会

2025年11月7日

シンガポール、盗難クレジットカード流出率で世界2位

 シンガポールは米国に次ぎ、盗難クレジットカードの流出率で世界第2位となった。サイバーセキュリティ企業ノードVPN(NordVPN)が運営する脅威管理プラットフォーム「ノードステラ(NordStellar)」の調査で判明したものである。
 
 調査によると、世界全体で盗難クレジットカードの約60%が米国の利用者のもので、シンガポールが約11%で2位、スペインが約10%で3位となった。2025年5月時点で収集された約5万700件のカード情報がダークウェブ上で取引されていたという。
 
 専門家は、シンガポールが上位に位置するのは「脆弱だからではなく、デジタル化の進展とオンライン決済の普及が背景にある」と分析している。
 
 盗難カードの価格はこの2年間で大幅に上昇しており、世界平均は1枚あたり約US$9(約11.75Sドル)。アジアでは日本が最も高くUS$22.80で、カザフスタン(US$16.87)、タイ(US$15.08)が続く。シンガポールのカードは平均US$13.19で、前年(US$10.20)から約29%上昇した。
 
 ノードVPNのアドリアヌス・ワルメンホーベン氏は、「シンガポールのような先進国は不正防止体制が強く、顧客保護も手厚いため、犯罪者にとっては必ずしも魅力的な標的ではない」と指摘。その一方で、「カードが多く出回っているため価格は比較的安く、リスクの高い国ほど値段が低い傾向にある」と説明した。
 
 同氏はまた、利用者への対策として、定期的な明細確認、リアルタイム通知設定、強力なパスワードの使用、ブラウザへの自動保存回避などを推奨している。なお、シンガポール当局によると、2024年10~12月の間にクレジットカード詐欺やモバイルウォレット詐欺で計120万Sドル超の被害が発生し、656件が報告されている。

おすすめ・関連記事

シンガポールのビジネス情報サイト AsiaXニュースTOPシンガポール、盗難クレジットカード流出率で世界2位