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経済

2025年11月4日

電気自動車が新車販売の43%に COEカテゴリーAではほぼ半数を占める勢い

 シンガポールで電気自動車(EV)の普及が急速に進んでいる。2025年1~9月の新車登録のうちEVが占める割合は43%に達し、2024年通年の33.8%、2023年の18.2%から大幅に上昇した。
 
 特に排気量・出力の小さい車両を対象とするカテゴリーAのCOE(車両所有権証書)では、登録の45.6%がEVで、2024年の37.3%、2023年の15%から顕著に伸びた。出力110kWを超える車はカテゴリーBに分類され、同期間でのEV比率も39.8%と前年の29.7%から上昇している。
 
 陸上交通庁(LTA)によると、9月末時点で登録済みのEVは4万1,732台に達し、全車両の6.3%を占めた。これは2024年末の4%、2023年の1.8%から着実に拡大している。
 
 従来はカテゴリーAのCOEがBより安価だったが、EVの増加により価格差は縮小傾向にある。2025年10月の入札ではカテゴリーAが12万2,000Sドルで、Bとの差はわずか9,889Sドル(7.5%)にまで縮まった。
 
 BMW、BYD、Kia、Teslaなどはシンガポール市場向けに出力を調整し、カテゴリーA枠で販売可能なモデルを投入。調査によれば、38車種中15車種がA・B両カテゴリーで展開されている。
 
 シンガポール自動車販売協会のNeo Tiam Ting会長は「EVは価格競争力に加え、装備やテクノロジー面で非電動車を上回る」と指摘。今後もカテゴリーAを中心に採用が拡大すると予測する。
 
 EV購入支援策も需要を押し上げている。2026年1月から優遇額は1万Sドル減の3万Sドルとなるが、依然として大きな恩恵がある。また、充電環境の整備も進み、島内には2万5,000基以上の充電ポイントが設置され、その約半数が公共利用可能だ。政府は2030年までに6万基の設置を目指している。
 
 メディア関連企業に勤める36歳のCharissa Heさんは2024年にガソリン車からTesla Model 3へ乗り換えた。「自宅のコンドミニアムに十分な充電設備があり、性能も申し分ない。次の車もEVにするつもり」と話している。

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