2025年11月3日
中国系電子たばこ企業関連会社、シンガポール撤退
シンガポール政府が9月1日から導入した厳しい反電子たばこ(ベイプ)規制の影響で、中国の電子たばこ製造大手「RELX(レレックス)インターナショナル」と関係のある企業「Hellow SG」が現地から撤退したことが明らかになった。会計企業規制庁(Acra)によると、同社は9月30日に「登録抹消(struck off)」された。
Hellow SGは2019年にシンガポールで設立され、RELX製品のアジア太平洋地域での輸出入業務を担っていたとされる。River Valley Roadのオフィスは目立たない形で運営され、2024年9月以降は教育施設に転用されている。同社は6月27日に自主的な登録抹消を申請し、法定の60日間の異議申し立て期間を経て正式に抹消された。
シンガポール国立大学のテオ・イックイン教授は、「ローレンス・ウォン首相が国家全体でベイプ根絶を目指すと発表して以来、電子たばこ関連事業の商業的環境は厳しくなった」と指摘する。ウォン首相は8月17日のナショナルデー・ラリー演説で、ベイプを薬物問題として扱い、供給者への罰則強化を表明していた。
9月1日以降、毒薬法やたばこ広告・販売規制法の違反行為は、オンライン犯罪防止法、組織犯罪法、汚職・麻薬取引・重大犯罪収益没収法の適用対象となり、資金洗浄などの重罪と同様に処罰される。実際、9月から10月12日までの間に1,339人がベイプ関連で摘発され、67人が更生プログラムに送られた。押収された電子たばこや関連部品は2万6,000点を超える。
RELXは中国・深圳を拠点に世界市場向けの電子たばこを製造し、2020年には約22億元(約4億200万Sドル)を売り上げたとされる。同社のシンガポール撤退は、昨年7月に米電子たばこ企業ジュール・ラボが清算後に離脱した事例に続くものであり、シンガポールがベイプ撲滅に向けて商業活動を徹底的に排除する姿勢を示した形である。


