2025年10月20日
未払いERP料金の半数が新型車載ユニットで即時支払いに
シンガポール陸上交通庁(LTA)は10月19日、2024年9月に発生した約4万200件の未払いERP(電子道路課金)のうち、約1万9,800件(全体のほぼ半数)が新型ERP車載ユニット(On-Board Unit=OBU)でその場決済されたと発表した。
このOBU機能は9月に導入されたばかりだが、初月から高い利用率を示した。LTAによると、未払い分の8割以上が5日以内に支払われたといい、これは従来の6割台から約20ポイント改善した結果となった。
52歳のエンジニア、モハメド・サラフディーンさんは、通勤時にカラン・パヤレバー高速道路(KPE)のERPゲートを通過した際、カードの挿入不備で料金が未払いになったが、OBU画面で即座に通知を受け取り、その場で支払いが完了できたという。
「以前は通知書が自宅に届いてから罰金を払うしかなかったが、今はすぐに処理できる。とても便利だ」と話した。
OBUでの支払い方法
OBUによるERP支払い機能は2024年9月1日から開始され、OneMotoringウェブサイトやAXS端末に加わる新たな決済手段として導入された。未払いが発生するとOBU画面に赤と白の警告アイコンが表示され、車両停止中にタッチ操作で支払いが可能。金額はOBUに挿入されたストアドバリューカードから自動引き落としされる。
また、未払い発生から2〜3日後にSMSで通知が届くが、OBUで前日午後5時までに支払いを済ませていれば通知は送られない。LTAは「OBUで支払い済みの場合はSMS通知を無視してほしい」と呼びかけ、重複支払いを防ぐよう注意喚起している。
5日以内に支払えば10Sドルの手数料は免除されるが、期限を過ぎると通知書が郵送され、ERP料金に10Sドルの手数料が加算される。さらに支払いがなければ70Sドルの罰金が科される。
次世代ERPシステムへの移行
OBUは従来の「車載ユニット(IU)」を置き換えるもので、衛星測位システム(GNSS)を利用した次世代ERPシステムの中核を担う。
2023年11月から既存車両と新車への設置が進められており、LTAは2026年までに設置完了を目指す。
OBUにはリアルタイム交通情報や主要施設の駐車場空き状況、イベント時の道路封鎖情報などを表示する機能も搭載されている。
今後は、ウッドランズやトゥアス関門での通行料支払い、オフピーク車のライセンス料、路上駐車料金支払いなどの機能が順次追加される予定だ。


