2025年10月20日
シンガポール入国チェックポイントで1週間の大規模取締り
シンガポール警察、入国管理局(ICA)、関税局(Singapore Customs)、保健科学庁(HSA)は10月18日、10月9日から15日までの1週間にわたり、陸・海・空の全てのチェックポイントで合同取締りを実施し、計88人を検挙したと発表した。今回の取締りでは、約1万4,000人の旅行者と280台の車両が検査を受け、1万1,700個以上の手荷物やスーツケースがスキャンまたは開封された。目的は、現金申告義務違反や密輸行為など、国境を越えた不正行為の摘発だという。
検挙者のうち11人は、2万Sドルを超える現金を申告せずに持ち込もうとした疑いがあり、いずれも外国籍だった。10月13日には、4人から合計120万Sドル超の現金(複数通貨)が押収された。4人は警告処分、6人は合計2万4,000Sドルの罰金を科され、1件は捜査中である。シンガポールでは入出国時に2万Sドルを超える現金や外貨を申告しない場合、最高5万ドルの罰金または3年以下の禁錮、もしくはその両方が科され、未申告の現金は没収対象となる。
また、62人がたばこ税や消費税(GST)の申告義務違反で摘発された。脱税総額は7,351Sドルで、合計2万615Sドルの罰金が科された。中には31箱の無税たばこを所持していた旅行者や、未申告のCDや衣類、アクセサリーを持っていた航空乗務員も含まれていた。関税や消費税の詐欺的回避行為には、脱税額の最大20倍の罰金または2年以下の禁錮刑が科される。
さらに、14人が電子タバコ(e-vaporiser)や関連機器395点を所持していたとして摘発され、25歳の女性1人は11袋のかみたばこを持っていた。全員に罰金が科された。シンガポールでは2024年9月1日から電子タバコに対する規制が厳格化され、再犯者には強制的な更生プログラムが義務付けられている。3回目以降の使用者は起訴され、最高2,000ドルの罰金が科されるほか、販売・輸入・流通を行った者は初犯で最高1万Sドルの罰金または6か月以下の禁錮刑、再犯時には最高2万ドルの罰金および12か月以下の禁錮刑が課せられる。
当局は、「国境での法令遵守を徹底し、シンガポールの安全と公正な貿易環境を守る」と述べ、旅行者に対しても免税範囲や申告義務の確認を呼びかけている。


