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経済

2025年10月13日

マレーシアの配車アプリ「Kummute」、JB–シンガポール間タクシー電子予約を開始

 マレーシアの配車サービス企業Kummute(クミュート)は、マレーシアとシンガポールを結ぶライセンス認可タクシーのオンライン予約サービス「CB Taxi」を9月30日から開始した。しかし、シンガポール陸上交通庁(LTA)は10月10日、「越境配車サービスを承認した事業者は現時点で存在しない」との声明を発表し、マレーシア陸上公共交通庁(Apad)と協議を進めていることを明らかにした。
 
 Kummuteによると、アプリを通じてマレーシア各地からシンガポール中心部のバンサン・ストリート・ターミナルまでの合法的な越境タクシーを予約できる仕組みで、出発30分前までの事前予約が可能。運賃は距離に応じて算出され、アプリ上に表示される。現在、約120人のライセンス取得済み運転手が登録しており、登録時には全ての許可証を提出・確認しているという。
 
 LTAは「越境タクシー事業はシンガポールとマレーシアの相互協定に基づくものであり、両国の合意が必要」と強調。現在の制度では、シンガポール側からは最大200台、マレーシア側からも同数のタクシーが越境運行を許可されており、シンガポール登録タクシーはマレーシア・ラーキンセンタルのみ、マレーシア登録タクシーはシンガポール・バンサン・ストリートのみで乗降可能と定められている。
 
 一方、Kummuteの事業責任者ケニー・ヒュー氏は、「当社はタクシー事業者ではなく、既存の許可を持つ越境タクシー運転手と提携する予約プラットフォームだ」と説明。サービスはすでにマレーシア運輸省の管轄下で運営していると述べた。現在はシンガポール発マレーシア行きの予約サービス実現に向け、両国当局と調整を進めているという。
 
 ジョホール・バル市内のショッピングモールからシンガポール中心部までの料金はおおむねRM199〜220(約60〜67Sドル)で、公式ライセンスを持つ青色のマレーシアタクシーが使用されていた。
 
 なお、両国当局は近年、違法な配車・越境輸送の取り締まりを強化しており、7月以降シンガポール側では100台以上の車両が摘発・押収されている。

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