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社会

2025年10月10日

センカンの自宅で父娘死亡 娘はNUS修士・ケンブリッジ博士号取得者

 10月6日、シンガポール・センカンのHDB(公営住宅)で父娘が遺体で発見された事件で、死亡した女性がシンガポール国立大学(NUS)の修士号および英国ケンブリッジ大学の博士号を取得していたことが分かった。
 
 死亡したのは47歳のシュー・ナ(Xu Na)さんと父親で、センカン・イースト・ウェイ324Dブロック8階の自宅で午後1時ごろ発見された。2人は少なくとも1ヵ月間、近隣住民の目撃がなかったという。シューさんは精神的な疾患を抱えており、父親に生活の多くを頼っていたとみられる。
 
 NUS時代の同級生であるシュー・ロン(Xu Rong)氏(47)は、警察が公表した写真を見て本人だと確認。彼によるとシューさんは控えめで礼儀正しく、学業に優れた学生だったという。NUS中国語学会に所属し、卓球にも熱心に取り組んでいた。
 
 報道によれば、シューさん一家は中国東北地方の出身で、両親と共にシンガポールへ移住。母親のワン・リリさんは2016年に66歳でリンパ腫により死去している。
 
 シューさんは1997年にアングロ・チャイニーズ・ジュニア・カレッジ(ACJC)を卒業後、2001年にNUSでコンピューターサイエンスの学士号、2003年に修士号を取得。2008年にケンブリッジ大学で博士号を取得し、2009〜2012年にはフランス国立情報学自動制御研究所(INRIA)で研究員を務めた。
 
 彼女の個人ブログによると、2010年からフランスでの生活を綴っていたが、更新は2013年で止まっている。投稿では母親への思慕や孤独な旧正月、シンガポール生活への適応などが語られており、「人生はドリアンを試すようなもの。試さなければ、何を得られるか分からない」と記していた。
 
 一方、事件現場の下階住民は、天井から液体が漏れ悪臭が漂っていたと証言。清掃作業後も臭いは消えず、現場周辺には10月9日時点でも異臭が残っていたという。警察は事件の経緯を引き続き調査中である。

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